持家の広さは神戸市、借家の広さは大阪市並み
最低居住面積水準以下の住宅は、京都市全体で持家2%、借家24%。持家に比べ借家は、面積条件の良くない住宅が多くあります。平均面積で比べると持家約101平米に対し借家は約36平米。かなりの格差があります。ただし、この傾向は大阪市/神戸市も同じで各々の平均面積は大阪市が持家約90平米/借家約39平米、神戸市が持家約99平米/借家約45平米。大雑把ではありますが、持家については京都市=神戸市>大阪市、借家は京都市=大阪市<神戸市というならびになります。大阪市、神戸市は持家率からみて区ごとの差が大きくありましたが、京都市に関してはあまり大きな差が見られず。だからといって京都市は「総じて平均的な都市」というわけではなく、もう少し小さなエリアに区分すればまた結果も変わってくると考えられます。
最後におまけ。同じ統計表に建築された時期ごとの住宅の数が掲載されています。京都市は古い建物が多いイメージがありますが、それが本当かどうかを建築時期別の住宅数割合を調べてみてみました。結果が以下の表です。文字が小さくみにくいのでクリックしてご覧下さい。
結果、区によっては古い建物が相当多い事がわかりました。京都市内の住宅で昭和35年より以前に建てられた住宅の割合は約9%。大阪市が8%ですのでほぼ同じ割合です。ところがこれを区別にみると面白い数字が出てきました。青地白抜きは当該エリアのなかで一番割合の高い区分、水色はそれに続く区分です。
京都市も大阪市も現存する住宅の約1/5~1/4は昭和56年~平成2年に建築されています。ここがいちばん大きな山です。差が出るのは2番目に大きな山。上京区/中京区/下京区の中心部が、平成8年以降の比較的最近に建築が集中しているのに対し、東山区は昭和25年以前が2番目の山! 昭和35年までの建築も合わせると5軒に1軒は昭和35年以前に建てられた住宅という事になります。京都市東山区は以前の記事で「女性が一番多い街」として取り上げましたが、「古い住宅が残る街」としても突出した街でした。
以上、3回にわけ持家率から大阪市、神戸市、京都市の区ごとの特徴をみてみました。特徴の少なかった市や区も、もう少し小さなエリアに区切ってみれば何か見えたはずです。実際に歩いて街選びをするのにプラスして、統計数字もみてみると新たな発見があって面白いですよ。