住宅や建築に関する統計はいろいろありますが、その中の一つに総務省統計局を主幹とし全国の住宅並びに住宅以外で人が居住する建物を調査する「住宅・土地統計調査」があります。5年に一度行われていて、最近では平成20年に行われています。少し古いデータにはなりますが、色々な切り口での調査がなされており、大まかな傾向を知るには充分な資料です。今回は、この調査のうち持家率/借家率に注目し、大阪市23区の住宅事情を見てまいります。

まずは、大阪市24区の持家率/借家率をみてみます。ここでの持家率とは「持家(=そこに居住している世帯が全部又は一部を所有している住宅)÷住宅総数」、借家率とは「借家(公営・都市再生機構・公社・民間の借家ならびに給与住宅)÷住宅総数」です。住宅総数には住宅以外で人が居住する建物(工場、事務所等)が含まれるので、持家率+借家率は100%とはなりません。

持家率が高く隣接~阿部野区と生野区は意外に似ている!?


持家率借家率

大阪市内24区の持家率と借家率(クリックで拡大)


持家率が50%以上、または借家率が60%以上の部分を白地赤抜きとしています。大阪市内の持家率平均値は41%。持家率が一番高いのは多さ芦内南部の阿倍野区で54%、続くは隣接の生野区と市内北東部の鶴見区でいずれも51%。50%を超えるのはこの3区のみ。

借家率は大阪市内平均が54%。市内で借家率が60%を超える区は5区あり、多い方から順に東淀川区(市内北部、67%)、中央区/浪速区(市内中心部、どちらも65%)、西成区(市内南部、62%)、平野区(市内南東部、61%)。東淀川区を除き市内南部に借家率の高い区が集まります。

持家率/借家率だけをみると「阿倍野区、生野区=持家率が高く隣接している=似ている街」「中央区、浪速区、西成区=借家率が高く隣接している=似ている街」となりそうですが、その内訳をみるとそうでもなさそうです。

共同住宅が少ない生野区/西成区

持家/借家/建築種別

持家と借家/建築種別の割合

上記の表は、各区内の建て方の阿倍野区と生野区は隣接する区であり、持家率はそれぞれ54%、51%と市内でTOPと2位。しかしその内訳をみると上記のようにかなり両区はかなり異なります。

阿倍野区の持家のうち共同住宅いわゆるマンションがしめる割合は37%。これは大阪市平均(44%)と比較してかなり低い数字です。しかし生野区はさらに低く、11%。これは大阪市内で一番低い数字であり、借家における共同住宅の割合(生野区73%、大阪市平均92%)も合せてみると、生野区が圧倒的に「マンションの少ない街並」である事がわかります。

一方長屋建をみると生野区は25%と大阪市内で一番高い数字。借家のうち4件に1件は長屋建です。持家についても18%で、持家は約5件に1件が長屋建。生野区は「大阪市内でいちばん長屋建てが多い街並」だといえます。

同様に中央区/浪速区/西成区を見てみます。いずれも借家率が高い区ですが、その内訳は、中央区/浪速区が借家のほぼすべて共同住宅(99%)であるのに対し、西成区は86%しかなく、借家の1割以上は共同住宅以外(一戸建6%、長屋建8%)となっており、生野区同様低利用地が多い街並となっています。

次のページでは、各区の住宅の広さについて数字をみてまいります。