再びよくない兆候…
せっかくカードを失くしても、新しく作ることが難しくないのが立て替えてしまうデメリット。本人が変わりにくいのもデメリット。
前回の借金を返したころは、節約もがんばって、親にも返済して、と生活にメリハリをつけていけました。でも、出張費の立替や断りきれない仕事上の飲み会などでお金がかかり、給料の範囲でやっていけなかった月があり、少しだけと思い新しく申し込みをしてクレジットカードを作りました。食料品を買うことにつかったそうです。慎重になっていたので、過度には利用せず、翌月にきちんと返せる金額で利用していました。でも、簡単に買い物できる快感はすぐに呼び戻り、「きっと払えるから買っても大丈夫」とカードの利用が日常になってしまいました。
そうこうするうち、はじめのうち持っていた慎重さは薄れ、クレジットカードの支払いが大変なときはキャッシングして支払うようになりました。そうすると、今度はキャッシングでは支払いをまかなえず、再び貸金業者で借りてしまうようになってしまいました。あとは、返せなくなっては違うところから借りて、と前回と同じことの繰り返し。
借金を立て替えてしまったことの失敗
借金を立て替えて失敗したことに秋雄さんは気がつきました。借金をなくすだけでは、お金の使い方を変えることはできなかったのです。むしろ、借金整理をしてお金を借りられない状況を作るほうが、息子には矯正の方法になったかもしれないのです。返してしまえば、息子の信用にキズがつくことはありません。貸金業者のカードをなくしてしまっても、優良顧客の息子には、新しく契約することが簡単にできてしまうのです。
現在は貸してくれる金額に上限があるので、金額は前回ほど大きくはありませんでしたが、裏切られたようながっかりした気持ちになったと話していました。
親子関係もギクシャクし、息子に裏切られてしまった気持ちをずっと持っているそうです。
どうすると最善だったのか
良かれと思って借金を立て替えることは、実は借金した本人にはいいことではない場合が多いものです。そうですよね、昨日まで苦しかった借金が、ちょっと相談したら消えてしまうのですから。しかも、再び借りることができる環境まで整えてあげていることになります。
借金返済のお金を貸してほしいといわれたとき、最善なのはどうしてもお金が無い場合に、借金整理にかかる費用を貸してあげることです。返せないほどの借金を作る人は、生活の仕方や考え方を変化させないと同じことを繰り返しがち。借金整理をしてお金を借りられない状況を作ることは、その変化を助ける状況を作ることにもなります。
いままで立て替えてもらうことでより状況の悪い借金を作るケースを多く見てきています。子供のため、誰かのためを思うのなら、あえて借金整理をさせるのもやさしさなのです。