社会保障制度改革国民会議での議論 

支給開始年齢引き上げの議論は以前から行われており、具体的な引き上げスケジュールが検討されたこともある

支給開始年齢引き上げの議論は以前から行われており、具体的な引き上げスケジュールが検討されたこともある

2013年8月、年金をはじめとする社会保障全般の審議をする「社会保障制度改革国民会議」が最終報告書をまとめました。

年金分野では、支給開始年齢の引き上げの「具体的な方向性が示されるかどうか」が注目されていました。現在「原則65歳」からとなっている支給開始年齢については、「70歳支給」など、具体的な引き上げの方針が示される可能性がありました。

しかしふたを開けてみると、支給開始年齢の引き上げについては、「中長期的な課題」としながらも具体的な方向性は示されませんでした。支給開始年齢の引き上げではなく、「高所得者に対する給付の見直し」や「短時間労働者(パートタイマーやアルバイト)の適用拡大」を図るべきということのようです。

ただ、少子高齢化が進行する中で、「給付水準の引き下げ」あるいは「支給開始年齢の引き上げ」についての議論は避けて通れないでしょう。

70歳支給開始となると、我々の家計はどうなる? 

年金財政の悪化の原因の一つに、「支給期間の長期化」が挙げられます。公的年金は終身受取となっていますから、平均寿命の伸びは支給期間の長期化=コスト増になるというわけです。

コスト増の緩和の手段として、頭に浮かぶのが「支給開始年齢の引き上げ」です。しかし、支給期間が短縮されると、我々国民のリタイア後の生活は大きな影響を受けることになります。

支給開始年齢が仮に『「65歳」から「70歳」に5年間引き上げられる』とすると、どうなるでしょうか?

現在、国のいう「モデル世帯(会社員の夫と専業主婦の妻)」の平均年金受給額は月23万円ほどといわれています。これが5年間分減ることになりますから、23万円×60カ月=1380万円の収入減ということになります。

また、別の言い方をするなら、85歳まで受け取るとして、65歳支給であれば20年間受け取れたわけですが、これが70歳支給となると15年間となり、受取総額が4分の3になってしまうのです。

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