日本の他の温泉地とは異なった、山の麓に点在する6軒の一軒宿
十和田八幡平国立公園のエリア内の乳頭山の山麓に、乳頭温泉郷が広がります。日本の他の温泉地とは異なり、6軒の一軒宿が、山の麓に点在しているのです。どの一軒宿も、秘境の中の秘湯となっています。乳頭温泉郷の中で最も長い歴史を持ち、江戸時代には秋田藩主の湯治場として利用された由緒ある温泉が、鶴の湯温泉です。1688年から、湯宿としての記録が残っています。秋田藩主が湯治に訪れた際に、警護の武士が詰めた茅葺き屋根の長屋「本陣」が、当時の格式の高さを今に伝えています。
温泉の周囲はブナの原生林に包まれ、森閑とした沈黙の中にひっそりと佇む、まさしく秘境の中の秘湯です。宿の敷地内から単純硫化水素泉の源泉が湧き上がり、豪快に蒸気を巻き上げています。
客室にはテレビもないため、自然の沈黙の中で、静かに物思いにふけることができます。食事は、ステーキや海鮮などの豪華なものはありませんが、山菜、きのこがたっぷりの料理には、大地と自然の味わいが漲ります。
人の多い都会での生活に疲れ、静かに自然に触れ合いながら自分を見つめ直すときには、是非訪れたい温泉です。
鶴の湯温泉の他にも、周辺に妙乃湯、黒湯温泉、蟹場温泉、孫六温泉、大釜温泉の5つの一軒宿が点在し、各々の温泉を巡る湯巡り帳を発行しており、温泉三昧をすることもできます。
■鶴の湯温泉
住所:秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
電話番号:0187-46-2139
宿泊料金:8,550円~15,900円
HP:www.tsurunoyu.com/
※データは記事公開時点のものです。