NISA口座で分散投資するとどうなる?

NISA口座での分散投資をシミュレーション

NISA口座での分散投資をシミュレーション

たとえば、投資元本100万円という年間の非課税枠をフルに活用し、NISA口座で複数資産に分散投資するとしましょう。投資信託を用いて、次のようなポートフォリオを組むとします。カッコ内は構成比率です。
  • 日本株ファンド:30万円(30%)
  • 海外株ファンド(先進国):40万円(40%)
  • 海外株ファンド(新興国):20万円(20%)
  • コモディティファンド:10万円(10%)
さて、1年が経過した時点で、評価額は次のようになっていました。
  • 日本株ファンド:50万円(41.6%)
  • 海外株ファンド(先進国):45万円(37.5%)
  • 海外株ファンド(新興国):10万円(8.3%)
  • コモディティファンド:15万円(12.5%)
1年後の合計金額は120万円ですから、運用成績はなかなかのものです。が、ここでひとつ問題が生じてきます。

冒頭のポートフォリオは、どちらかというと海外株ファンドに比重が置かれていましたが、1年が経過するなかで、日本株ファンドの構成比率が高まってきました。こうなると、最初に考えたポートフォリオとは、リスク・リターンの性質が変わってきます。

分散投資をする時は、定期的にポートフォリオの中身をチェックして、当初の構成比が維持できるように、ポートフォリオの調整をする必要があります。これをリバランスといいます。

NISA口座でリバランスをする方法

NISA口座でリバランスを行う場合、当初5年間は年間最大100万円ずつ資金を追加していけますから、その範囲内で調整できます。たとえば次の年も100万円を投資するなら、全体の資産額は220万円。これに対して当初の構成比から、以下にように、各資産の割り振り額を算出しました。
  • 日本株ファンド:66万円(30%)
  • 海外株ファンド(先進国):88万円(40%)
  • 海外株ファンド(新興国):44万円(20%)
  • コモディティファンド:22万円(10%)
したがって、各ファンドの追加投資額は、次のようになります。
  • 日本株ファンド:16万円
  • 海外株ファンド(先進国):43万円
  • 海外株ファンド(新興国):34万円
  • コモディティファンド:7万円
このようにして、500万円という非課税枠の総額を使い切るまでは、毎年、追加資金の額を調整することで、リバランスの効果を維持できます。

NISAの特性上、いずれリバランスに無理が生じる

ただ、問題はそれ以降です。たとえば2014年から運用を始めたとすると、非課税枠の総額に達するのが2018年。そこから2023年までの6年間は、ロールオーバーを繰り返していきますが、2024年以降は100万円ずつ非課税期間が終了します。

非課税期間の終了と同時に運用を終わらせるとしたら、100万円ずつポートフォリオを取り崩していかなければなりません。全体の資産額が減るなかでリバランスし、当初のポートフォリオを維持するのは極めて困難です。

したがって、NISAは、分散投資によってリスクをコントロールしながら運用するツールには適さないとも考えられます。
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