仲間がくれた外資系コンサルティング会社へのチャンス
私は前回の記事で書いた国内での就職活動の経験を通じて、今回のイベントでは外資系のコンサルティング会社へアプローチすることを狙っていた。実力主義で、数年修行後は転職したり独立社員が多い業界として、自分のキャリアビジョンに合うと思ったからだ。しかし残念ながら志望していた外資系コンサルティング会社へ送ったエントリーシートはすべて落ちてしまい、面接予約が取れなかった。
私は自分の大学からはたった1人でボストンに乗り込んだので、特に会場で誰かと行動を共にすることはなかったが、偶然会場で大学内で唯一就職活動の相談をしていた先輩と会った。彼は卒業後にアメリカで働くことが決まっていたので、日本のメーカーで現地駐在員を募集している企業を回っていた。
お互いにイベントに参加していることは知らなかったので、偶然の再会に驚いた。
すると先輩が、「今ちょうどアクセンチュアの面談してきたんだよ」と言った。私がエントリーシートを出した外資系コンサルティング会社で最も志望度が高かった会社だった。
当時も現在はアクセンチュアは世界的最大規模のコンサルティング会社だ
「先輩すごいですねー、エントリーシート通ったんですね。私は残念ながら落選でした」
と言うと、「オレ、エントリーシート出してないよ。でもブースで並べば面談してくれるよ」と言われた。
「……、そうなんすか!? んじゃ、早速自分も行ってきます!」
半分驚きつつもチャンス到来に心躍らせ、気付いたらアクセンチュアのブースに座っていた。
順番を待っていたら「次の方、どうぞ」と席に通される。ベテランの女性社員が相手だった。あまり志望動機とかは聞かれず、なぜか会話がはずむ。するとその社員の方から「小寺さんこの後時間ありますか?」と言われる。実は他の企業の面接が入っていたのだが、とっさに「はい」と言ってしまう。実はその方は当時の女性人事部長で、運よく目をかけてもらえたらしい。
その後はその流れで会社説明ブースに通され、会社説明を聞き、その後は別室でシニアマネージャーと面接。ここでも会話が弾む。面接終わる際にその面接をしてくれたマネージャーの方が「本当にエントリーシートで落ちたの? そんなこともあるんだね。はい、合格です」と言われ、翌日最終面接を受けることになった。
とても不思議な感覚だった。特に企業研究も面接対策もしていないのに、自分と合った会社と巡り合えると、自分を飾らなくても企業から評価を得られるというのは心地よかった。
翌日のパートナー(執行役員)との面接も自然体で話すことができ、「ぜひうちの会社で小寺さんの力を発揮してください」と言われ、内定を獲得することができた。
私の大学生時代の就職活動の最後は、この様にまったく力むことなく、トントン拍子に自然の流れに身を任せるようにして終わりを告げた。なんだか少し拍子抜けする感じだったが、もしかしたらこれが「就活は企業とのご縁」と言われる本質なのかもしれない。
実はこの感覚は実は今学生の就職支援をしているときでも持つことがある。学生が自分に価値観や風土があった会社を見つけると、今までのように頑張ってる感覚やアピールしてるつもりはないのに結果がついてくる。逆に下手に自分を良く見せようと張り切るとなかなか結果がついてこなかったりする。
自分に合う会社を見つけること、
そして自然体の自分でその企業と向き合うこと、
そんな企業との出会いのチャンスをくれる就活仲間を持つこと。
私は今の就職支援をする上での、大切なことの多くを自分の就職活動から学ぶことが出来た。