年金/国民年金保険料の免除・猶予

年金未納者との結婚、今後の生活に支障は?(2ページ目)

自分はちゃんと年金を納めているけれど、結婚相手(配偶者)の年金が未納になっている場合、結婚生活においてどんな支障が出てくるのでしょうか?相談事例に沿って解説します。

執筆者:音田 大志

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結婚相手が年金未納のままだと将来の生活に支障も

保険料未納は将来へさまざまな影響を及ぼします

保険料未納は将来へさまざまな影響を及ぼします

年金には老齢年金、遺族年金、障害年金の3つがあります。国民年金保険料を未納している人と結婚した場合、将来的にどのような影響が出てくるのか、前ページ冒頭の相談者の例に沿ってご説明します。

■老齢年金

老齢年金とは、一定の年齢になったら年金が受け取れるものです。年金を受け取るには一定の納付要件を満たしていなければならず、原則25年の納付が必要です。もし、このまま年金を納付せず納付要件を満たさなければ、年金は1円ももらうことはできません。しかし、これは結婚相手である彼自身の年金のことであり、彼女には関係ありません。

彼女がちゃんと年金保険料を納めていたら、たとえ結婚相手が納めていなくても、将来、彼女自身が納めた分の年金はもらえます。ただし、老後の生活を考えると、彼の年金がないのは経済的に大きな影響を与えますので、今から納付しておいたほうがよいでしょう。

■障害年金

障害年金は、一定の障害状態になった場合にもらえる年金です。しかし、この障害年金をもらうためには、一定の納付要件を満たしていなければなりません。未納の状態が続くと、どんなに重い障害となっても年金を請求することすらできません。彼の万が一のことを考えると、やはり保険料の納付または免除申請をしたほうがよいでしょう。

※障害年金についての詳しい説明は、「障害年金が請求できる主なケースとは?」をご覧ください。

■遺族年金
遺族年金は、万が一加入者が死亡した場合、一定の要件を満たす遺族に支払われる年金です。遺族年金は遺族の生活保障の役割を果たします。この場合も老齢年金、障害年金と同様に納付要件があり、一定の期間保険料を納付していなければなりません。

もし、このまま未納の状態が続き、将来子どもが産まれた後、彼が死亡した場合、場合によっては遺族年金の請求すらできなくなる可能性があります。

子どもに費やすお金は多額になりますので、遺族年金がないとなれば経済的に困難が予想されます。よって、彼の万が一のことを考えると、保険料を納付または免除申請したほうがよいでしょう。

※遺族年金についての詳しい説明は、「遺族年金の受給資格要件を確認」、「遺族基礎年金の受給額はいくら」をご覧ください。

保険料の未納は、今後の結婚生活にプラスになることはありません。できる限り納付するようにしたほうが得策です。もし、納付が経済的に困難という場合は、免除申請を必ずしてください。保険料を払わないということでは同じでも、未納と免除には雲泥の差がありますので、ぜひ活用しましょう。


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