作業療法士とその業務
作業療法士は、理学療法士と同様に「理学療法士及び作業療法士法」で法律に定められた国家資格です。その法律の中で、作業療法士が行う作業療法とは、「身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせること。」とされます。この中で出てくる応用動作能力とは、日常生活を送る上で行うさまざまな動作を指します。例えば、洋服を着替える。ズボンを履く。食事をする。お風呂に入る。トイレで用をたす。など、挙げればきりがないですが、こういった、人間が人間らしい生活を送る上で必要な日常生活動作の事が応用動作能力とされます。
続けて社会的適応能力についてですが、こちらも多くの事を指していますので、簡単に区分けをしてご案内します。
自身で行う物事の遂行能力、管理能力
金銭の管理、自宅にある設備の使用、住居の管理、外出時の乗り物の選択や運転など。
対外的な人間関係作り
言語的コミュニケーション、ジェスチャーやアイコンタクト等の非言語的コミュニケーション、対人関係、社会的役割と行動、社会参加など。
教育的・職業的適応
通学や通勤、作業、業務への耐久性、学校職場での心理的耐久性など。
余暇活動における過ごし方
趣味や娯楽など。
作業療法士は、これらの社会的適応能力と応用的動作能力の回復を促し、人間として生活をしていく為の能力を高めていきます。
では具体的にどんな事を作業療法として行うのでしょうか? より、続けて、理学療法士と作業療法士の違い(2)にて、その詳細を見ていきましょう。