くじけそうになりながらも前へ進む、少年の成長物語
■作品名銀河鉄道999(The Galaxy Express 999)
■監督
りんたろう
■主演(声優)
野沢雅子、池田昌子、肝付兼太
■DVD/Blu-ray発売元
東映ビデオ
汽車は闇をぬけて光の海へ。
SF。サイエンス・フィクションは、科学を足がかりに無限のかなたへ創造の翼をひろげて、観客を連れて行ってくれるものだと、わたしは思っています。
1979年に製作された「銀河鉄道999」はテレビアニメシリーズもありましたから、わたしは毎週わくわくしながら観ていました。そして、近所を走る宇品線の線路を眺めては、「あ~ここに999(スリーナインと読みます)がきたらな~」などと夢想していました。
ちなみにそんな楽しい夢想をしていたのはわたしだけではないようで、我がだんな様も冒頭の歌詞ではじまる映画の主題歌をよくカラオケや鼻歌で歌い、映画最後のきめ台詞、「いま、万感の想いをこめて、列車はゆく」をことあるごとに使います。
そう、素晴らしい映画は心を射抜く台詞の宝庫でもありますね。
松本零士さん原作のこの物語を、わたしは少年の成長物語として観ています。旅先でいろんな人に出会い、助けられ、時には裏切られ傷つけられ。くじけそうになりながらも前へ進み、少年は男になっていく。その舞台であり推進力が銀河鉄道なのです。
宇宙空間を飛ぶメカで、事実機関部は宇宙船ぽい計器でうまっているのに、客車は旧国鉄の鈍行列車のようなたたずまい。それもまたいい。
いまはもう大人の男になり、日々戦っている貴方。たまには両肩の重荷をおろして、鉄郎と一緒に旅してみませんか。