他の映画では見られない独特の怪しさが漂う作品
■作品名「犬神家の一族」
■監督
市川崑
■主演
石坂浩二、高峰三枝子、三条美紀、草笛光子、島田楊子
■DVD/Blu-ray発売元
角川書店
1976年公開の横溝正史原作の映画「犬神家の一族」をおすすめします。
佐清の白いマスクと湖から突き出た二本の脚が有名ですよね。
作品全体に漂う独特の怪しさは他の映画では見られないと思います。
欲望に突き動かされた登場人物が、次は誰が殺されるのか、犯人は誰なのかと疑心暗鬼に駆られる様が真に迫っていて面白い。
人の恨みつらみや妬み、怨念と悲哀。
わざわざ争いを生む遺言状を残した犬神佐兵衛の心の闇。
様々な感情がもつれ合ったおどろおどろしさと不気味さが画面から伝わってくるような迫力があります。
薄暗くて長い廊下の隅から何か得体の知れないものが飛び掛かってくるような、そんな薄気味悪さもこの映画を盛り上げる要素の一つになっていると思います。
残酷で猟奇的な連続殺人が起こっているにもかかわらず、ときおりほっと一息つかせてくれるシーンも盛り込まれていて見ていて飽きません。
印象的な音楽も魅力です。
■あらすじ
製薬王が残した莫大な遺産をめぐっての骨肉の争い。
それはやがて連続殺人へと発展し、助けを求められた名探偵・金田一耕助が事件解決に挑む。