多くの女性が手軽なおしゃれとして楽しんでいるピアス。一方で思わぬトラブルも少なくありません
化粧品メーカーのアンケート調査によると、20代女性の50%以上が行っているとも言われているピアス。手軽なおしゃれとして広く普及していますが、一方でトラブルも少なくありません。知っておくべきピアストラブルの種類と、それぞれの症状、治療法について解説します。
<目次>
- ピアス穴の細菌感染の症状・治療法
- 金属アレルギー(アレルギー性皮膚炎)の症状・治療法
- ピアスヘッドやキャッチ埋没の症状・治療法
- ピアストンネル穿孔の症状・治療法
- ピアスによるケロイドの症状・治療法
- 耳のアテロームの症状・治療法
- 外傷性耳垂裂(ピアスによる耳が裂け・切れ)の症状・治療法
ピアス穴の細菌感染の症状・治療法
ピアスの付け替えなどの際に出来てしまった傷口から、細菌感染を起こすことがあります。ピアス穴の周囲が赤く腫れたり、汁がでたり、痛み・痒みを感じるなどの症状が出です。必要に応じ皮膚科などを受診してください。治療の基本は感染の原因となったピアスを外し、よく洗うこと。塗り薬や飲み薬を処方することもあります。ピアス穴を温存できる場合もありますので医師に相談してください。
金属アレルギー(アレルギー性皮膚炎)の症状・治療法
金属アレルギーとは、発汗などによりイオン化された金属が皮膚に吸収され、アレルギー反応を起こすこと。ピアスをあける時は傷口に金属が直接触れるため、金属アレルギーを引き起す可能性が高いと言われています。そして一旦アレルギー反応を起こすと、その金属に身体が反応しやすくなります。ネックレスやブレスレットなど、ほかの部位で金属アレルギーを起こしたことがある方はピアスはあけない方が好ましいです。金属アレルギーがあるが、どうしてもピアスをあけたい場合は、アレルギーを起こしづらいとされるチタン製のピアスがよいでしょう。またパッチテストをおこなってみるのもよいでしょう。
ピアスヘッドやキャッチ埋没の症状・治療法
まず皮膚がかぶれることから始まり、次第に赤くただれた皮膚からジクジクと汁が出るようになります。そしてついにはピアスヘッドやキャッチ部分が耳たぶに埋まってしまいます。こうなってしまうと、皮膚を切開しないと埋まった部分を取り出すことは出来ません。
ピアスを外さず、寝る時もずっとつけているという方に多いです。耳たぶを締めつけすぎることがよくないので、耳たぶの厚い人は、自分の耳たぶの厚さにあった軸の長いピアスを選び、キャッチと耳たぶの間にすこしゆとりがある状態にするよう心がけてください。
ピアストンネル穿孔の症状・治療法
ピアスをあけてからピアス穴が完全に完成するまでに、通常最低でも1~2ヶ月の時間を要します。しかしピアス穴(トンネル)が完成する前に、ピアスを付け替えようとした場合、入り口はトンネルから入っても、うまく出口から出せずピアス穴を突き破ってしまうことがあります。ピアス穴が完成するまで十分に期間をおき、途中でファーストピアスを外さないこと、ピアスの付け替えはゆっくりと慎重に行うことが大切です。
ピアスによるケロイドの症状・治療法
ケロイドとは、キズであるピアス穴の範囲を超えて皮膚が赤く固く盛り上がり、時にかゆみや痛みを伴うものです。耳たぶはケロイドができやすい部位のひとつなので、胸や肩など身体のほかの部位にすでにケロイドがある方は、ピアスをあけると高確率でケロイドが出現します。ケロイドが小さいうちは圧迫やステロイド注射などによる保存療法で対応できますが、ケロイドが大きくなり耳たぶの変形を起こしてしまった場合は、手術による治療が必要となります。
耳のアテロームの症状・治療法
皮膚の下に袋状のできものができ、表面からしこりとして触れます。体中どこでもできますが、ピアス穴や耳たぶの裏側にもよく出来ます。一旦出来ると自然に消えることはなく、次第に大きくなり、化膿し皮膚が破けることもあります。治療は手術です。外傷性耳垂裂(ピアスによる耳が裂け・切れ)の症状・治療法
ピアスホールが重力方向に徐々に伸びていき、ひどくなると穴が細長くなるだけでなく切れてしまう外傷性耳垂裂。服を脱ぐときや髪の毛を洗っているときなどにピアスを引っ掛けて一気に切れてしまう場合もありますが、たいていは数週間~数ヶ月にわたってゆっくりと裂けていきます。大きい、重い、または、ぶら下がりタイプのピアスを長期間使用した場合などに多くみられます。その他、ピアス穴が長い間ジクジクしていたり、開けた穴が下すぎたりした場合に起きることが多いです。
一度さけてしまうと自然に治ることはないので、治したい場合は経験のある形成外科を受診しましょう。
以上、主なピアストラブルをあげてみました。ピアスの穴あけは厚労省の定める医療行為です。ピアスは形成外科、皮膚科、耳鼻科などの医療機関であけるようにしましょう。正しく使用し、安全にピアスを楽しみたいものですね。
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