橋の下の無形文化財、打小人とは?
「拝神婆(バイサンポー)」と呼ばれるおばちゃんが「打小人」を行う
「打小人」を直訳すると「小人をたたく」という意味。「小人」とは広東語で不幸をもたらす人を指します。香港の古くからの考えでは、人間は不幸をもたらす「小人」と、幸運をもたらす「貴人」に分けられるのだそうです。
現在では、香港政府により無形文化遺産に認定されている「打小人」。最近では、外国人観光客が、カメラや動画で撮影している姿をよく見かけるようになり、すっかり観光スポットのひとつとなっています。
打小人のやりかたとは?
銅鑼湾と湾仔の間の高架下で行われる「打小人」
橋の下・三叉路で行うのが理想的
香港で最も有名な「打小人」の場所は、銅鑼湾(コーズウェイベイ)と湾仔(ワンチャイ)の間、鵝頸橋という名の高架下。トラムの「Canal Road West」駅下車すぐの場所です。なぜこんな場所で行うのかといえば、「打小人」は橋の下や三叉路、山辺で行うというのが決まりで、鵝頸橋は橋の下である上に、三叉路もまたぐのでとりわけ「打小人」に理想的なのだとか。ちなみに、以前、私が銅鑼湾(コーズウェイベイ)に住んでいたとき、かなりの頻度でこの「打小人」を目撃しましたが、営業日も時間も不定期なので必ずしもいつでも見られるわけではありません。確実に見られるのは、陽暦の3月6日頃に当たる「啓蟄(けいちつ)」の日と、旧暦の2月2日、2月23日、毎月の十二直(歴注のひとつ)で数える「収」、「除」、「破」の日です。これらの日には、通常1~3人の拝神婆(バイサンポー)が10人くらいに増え、依頼者がどっと押し寄せます。訪れるなら、その日を狙って行くといいでしょう。
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■打小人
アクセス:トラム「Canal Road West」駅下車すぐ。もしくは、:MTR銅鑼湾(コーズウェイベイ)A出口から徒歩約3分。時代広場(タイムズ・スクエア)前の道・羅素街を西へ向かったところの高架下