虫が原因の接触性皮膚炎の症状……紅斑・丘疹、痒み・痛みも
触れただけで湿疹や痒み、痛みなどの症状が起こる接触性皮膚炎。金属や植物だけでなく、虫が原因で起こることもあります
接触性皮膚炎については、以前「アトピーと類似! 治しやすい接触性皮膚炎」でも詳しく解説しましたが、通常は金属や植物が原因で起きることが多いです。しかし、虫が原因で起こる場合もあります。
接触性皮膚炎の原因となることが多い、毒性のある虫についてご紹介します。
<目次>
やけど虫に刺されたら……やけど虫の画像・症状・治療法・薬
「やけど虫」と呼ばれる、アオバアリガタハネカクシ。体長は7mm程度ですが、触れただけで虫の形に皮膚炎が起きます
「刺される」と書きましたが、実際には刺されなくても皮膚についただけで、皮膚が「やけど」のような状態になります。「やけど虫」と呼ばれているのはそのためです。
夏に多く、注意すべき時期は3月から11月ぐらいまで。虫体、体液に「ペデリン」という毒があり、これによってやけどのような皮膚炎を起こすようです。この虫の形に皮膚炎が起こり、皮膚炎の形が線状であることから「線状皮膚炎」とも呼ばれています。
日中は草むらなどの湿った場所にいて、夜間に明かりを目指して集まります。そのために、ナイター施設のある所でこの虫を見つけることがあります。
虫の体液がついてから数時間から1日で、発赤や小さな膿をもったぶつぶつが出て、数日後にただれます。治療は、ステロイド外用剤です。
予防法はやけど虫に接触しないことにつきますが、もしもアリに似た虫が皮膚についているのを見つけたら、決して潰さないようにしましょう。すぐに流水で洗い流して取るようにしてください。
チャドクガなどの毛虫に刺されたら……画像・症状・治療法・薬
接触性皮膚炎を起こすチャドクガの幼虫。一般的に「毛虫に刺される」と言われる状態は、毒針毛によりかぶれが起きた状態です
毛虫の形によって皮膚炎の種類が変わります。たくさんの毛に毒がある「毒針毛型(どくしんもうがた)」の場合は、かゆくて赤いブツブツが起こり、毛虫のからだの表面にするどいトゲがある「毒棘型(どくきょくがた)」の場合は、棘が刺さった部分に痛みが起こります。
ドクガの仲間の毛虫は、チャドクガ、モンシロドクガなどです。チャドクガはツバキ、サザンカ、チャノキなどの庭木の葉っぱを、モンシロドクガはサクラ、ウメ、クヌギなどの樹木の葉っぱをエサにしているので、緑の多い場所に遊びにいくときなどは特に注意しましょう。チャドクガの毛虫は5~6月と8~9月に出現します。
症状としては、これらの毛虫に接触してから数時間で発疹が出てきます。処置としては、刺さっている毛を除くためにテープで接触した部分をくっつけてはがし、シャワーで洗い流します。
治療はステロイド外用約薬です。1週間以内に痒みはなくなります。
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