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PSPの終焉とPSVitaの好機

長らく苦戦が続いているソニー・コンピュータエンタテインメントの携帯ゲームハード、PSVita。ライバルのニンテンドー3DSとは本体販売数において大差がついています。でもようやく、PSVita拡販の下地が整ってきたかもしれません。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

そろそろPSVitaに売り時が?

PSVitaの図

PSVitaにもそろそろ好機がまわってきそうです

長らく苦戦が続いているソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)の携帯ゲーム機、PSVita。現在の販売台数は約170万台。発売から1年と半年強といったところですが、前世代機のPSPにおける同時期の販売台数を見てみると350万台以上ということで、PSPと比較してもまだまだといった普及ペースとなっています。ちなみにライバル機となる任天堂のニンテンドー3DS(以下3DS)はというと、この夏中には1,200万台まで到達しようかというペースで、両者には圧倒的な大差がついてしまっています。

3DSには今後、モンスターハンター4やポケットモンスターX・Yなど、キラータイトルが続々発売されることからこの差はさらに大きく開くことが予想されます。

PSVitaが今から3DSに追いつけるかというと、これはもう相当に難しいんですが、じゃあ、PSVitaはこれからどんどん苦しくなっていくかというと、ガイドはそうでもないと思っています。むしろ、PSVitaは普及台数を伸ばす為の下地ができつつあるように思います。ポイントはライバルの3DSというよりは、前世代機のPSPにあります。

値下げとソウル・サクリファイスで起きた変化

PSPとPSVitaの図

ここにきてようやくPSPとPSVitaの世代交代が進みそうです

2012年2月28日、SCEはPSVitaの本体価格を最大1万円値下げしました。続いて同社の戦略的タイトルとなるソウル・サクリファイスを投入。値下げ直後の週販は約6万台。それまでに比べると大きく伸びたものの、本体のカラーバリエーションに品薄が発生するなどの状況も足をひっぱって、瞬間的な効果としてはまだまだ規模が足りないという印象でした。

ただ、2013年前半のPSVitaの流れを見てみると、値下げの効果が落ち着いた後も週販1万台~2万台の水準を維持。値下げ前には週販数千台という期間もあったことを考えると、少しずつではありますが、着実に状況が改善されていることが分かります。

そしてもう1つ、注目したい数字があります。それはPSPの販売台数です。実は、値下げ前はPSPの方がPSVitaよりも売れていたんですね。次世代機が発売されて1年以上経つのに前世代機の方が売れているという状況がPSVitaの苦しさを物語っていました。それがPSVitaの値下げを堺に、逆転しています。

PSPが週販数千台程度の規模になって、SCEの携帯ハード主力商品がメーカーの意思としても、市場の傾向としてもPSVitaにようやく移行したというのが、2013年前半に起きたことでした。

続いて、PSPとPSVitaで同時発売されるソフトについての傾向です。
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