まずは知ってほしい、スウェーデンの世界遺産
スウェーデンは、1984年にユネスコの世界遺産条約に署名をした後、1991年にスウェーデン初の世界遺産として、ドロットニングホルム(Drottningholm)の王領地が登録されました。2013年現在、スウェーデンには13の文化遺産、1つの自然遺産、文化遺産と自然遺産の両方に登録されている複合遺産が1つあります。「ストックホルム周辺の世界遺産」に引き続き、ここでは、スウェーデン全土に広がる他の世界遺産を紹介します。スウェーデンというとデザインや雑貨、家具を思い浮かべる人が多いと思いますが、世界遺産を知ると、きっとスウェーデンの他の一面が見れると思います。では、北部、中部、西部、南東部と順番に紹介していきます。
ガイドのいちおし世界遺産
高台から望むヴィスビーの町並み、どこか見覚えのある風景だとおもいませんか
やはり一押しは、映画「魔女の宅急便」の舞台にもなったといわれているスウェーデン南東部ゴットランド島の「ヴィスビーのハンザ同盟都市」です。町の高台から眺めるヴィスビーの町は、「あ、見覚えある」と思わせてくれるはずです。
次にお薦めなのが、スウェーデン中部にある「ヘルシングランドの装飾農家」。外側は普通の農家と変わらないのですが、一歩中に足を踏み入れれば、きっとスウェーデンの昔の農家の様子だけでなく、スウェーデンのテキスタイルやデザイン、工芸品や雑貨のルーツを肌で感じられると思います。
最後は、自然遺産と文化遺産の両方に登録されている、スウェーデン北部にある「ラポーニア」。トナカイと遊牧生活をしてきたサーメ族の歴史と文化に触れ、ラップランド地方の大自然を満喫できる世界遺産です。
次から、スウェーデンの地方ごとに分けてスウェーデンの世界遺産を一緒に紹介していきます。
スウェーデン北部の世界遺産
スウェーデン北部、ルレオーにある世界遺産ガンメルスタードの教会街、写真:Lena Nilsson/lulea.se
西ヨーロッパ最後の荒野にサーメ族が住む、ラポーニア地域
ラポーニアのあるスウェーデン北部、ラップランド地方、イエリバーレのサーメの人
写真:staffan_widstrand/imagebank.
sweden.se
自然遺産のみならず、文化遺産として登録された理由はスウェーデンの先住民であるサーメ族がその昔からこの地域で遊牧生活を続けており、自然とトナカイ、サーメ人の遊牧生活を知ることのできる数少ない場所だからです。
■アクセス方法
ラポーニア地域の玄関となるのは、ヨックモック(Jokkmokk)、もしくはイエリバーレ(Gällivare)です。イエリバーレの方が交通の便がよく、ストックホルムから飛行機で約2時間、電車で15時間ほどかかり、寝台列車も出ています。ヨックモックは、飛行機ならルレオーを経由し、電車ならば、ムリエック(Murjek)を経由して行くことができます。イエリバーレやヨックモックの町からはバスでラポーニアにある国立公園に行けます。
まだまだ、北部の世界遺産続きます。