港町神戸の歴史を今に伝える、アメリカ総領事の邸宅
萌黄の館は、神戸市の北野異人館街のシンボルとも言える「風見鶏の館」に隣接して建つ異人館です。「風見鶏の館」ほどの知名度は獲得できてはいませんが、ともに北野町広場に建ち、港町神戸の歴史を今に伝えています。建物は、1903(明治36)年に、アメリカ総領事のハンターシャープの邸宅として建造されました。下見板張りの外壁をもつ木造2階建ての洋館です。デザインの異なる2種類のベイ・ウインドーや、アラベスク風模様で飾られた階段、重厚な雰囲気をもつマントルピースなど、アクセントをつける意匠がいたるところに見受けられます。
邸内の各部屋には、ハンターシャープが暮らしていた頃の様子が再現されています。応接間や、居間、寝室、書斎、子ども部屋などがとてもリアルです。子どもを遊ばせてやりたいところではありますが、毎日ここに来るとなると交通費がかかりすぎてしまいます。
1980(昭和55)年に国の重要文化財に登録されて以来、「白い異人館」と呼ばれていました。ところが、現在の建物の外壁は淡いグリーンで包まれています。これは、1987年からの修理によって建築当初の彩りに復元されたことによるものです。そして現在の「萌黄の館」に改名されました。
現在の建物の色彩感、語感から、「萌黄の館」の呼び名が適切と言えるでしょう。2階のベランダからは、神戸の市街地の先に神戸港の眺望が広がっています。
■萌黄の館
住所:兵庫県神戸市中央区北野町3-10-11
電話番号:078-222-3310
料金:大人 300円、高校生以下 無料
営業時間:12月~3月 9:00~17:00、4月~11月 9:00~18:00
定休日:年中無休
HP:www.ijinkan.net/ijinkan/moeginoyakata.html
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