投資信託/NISA(日本版ISA)とは?その活用法

NISA向きと発売されるバランスファンドが最善なのか?

証券業界は、NISAのビジネスチャンスとして新しい商品の開発に余念がありません。しかし、万人向けのNISA商品などあるはずがありません。セールストークをうのみにしないで、自分に最適なルートを発見して、マイウエイを歩んでください。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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リバランスの目的は、最適なアセットアロケーションを維持するための売り買い

リバランスの目的は、最適なアセットアロケーションを維持するための売り買い

NISAは住民票を提出するだけで受けられる非課税制度です。負担がほとんどない代わりに、メリットがたくさんあります。デメリットというほどの問題はないのですが、強いていえば途中のリバランスで、非課税枠を使ってしまうという弱点があります。そこで、自動リバランス機能がついていて、非課税枠を消費しない投資信託が、「NISA向け」と称して登場しています。

本論に入る前に、リバランスの意味をご案内してから、新しいバランスファンドの仕組を理解していただこうと思います。

リバランスとは?

リバランスとは、そもそもなんのためにするのか?

リバランスの目的は、最適なアセットアロケーションを維持するための売り買いです。アセットアロケーションとは資産配分のこと。最適とは、「効率良く」という意味で、最小のリスクで最高のリターンを得ることを目指しています。

投資を始めるときには、全体最適が実現するような資産配分からスタートするものですが、時間の経過と共にその構成比率はくずれていきます。その崩れた比率を元に戻すことがリバランスです。増えている資産を売って、減っている資産を買います。そうして、当初の資産配分に戻すのです。

通常のマーケット環境であれば、2年に一度くらいの頻度で行いますから、5年間の間には、2回や3回はリバランスをすることになるでしょう。

NISAの場合には、ここで小さな問題が出て来ます。売ることで、非課税枠を使ってしまうことです。売って儲けがでて、それが非課税になるので、ムダな非課税ではないのですが、5年経過する前に利益を確定してしまうので、もったいないのです。

リバランスすると非課税枠を消費してしまう

どのくらいもったいないのか? たとえば、こんなケースを考えてください。

投資元本は100万円で、そのうち50%を日本株に向けていました。最初の1年で日本株だけが60%(30万円)も上昇したので、その上昇分の一部(15万円)を売って、他の資産を買い増します(たとえば外国債券)。15万円のうち5万円くらいが所得です。NISAでは、その20%の所得税が非課税となります。ですから、1万円のお得というワケです。

しかし、非課税期間が5年あるので、もしかしたら、処分した15万円は運用を続けていたら20万円にも30万円にもなっていたかもしれないと考えると、利益確定の売りはもったいないですし、リバランスをする気も自然と重くなろうというものです。

そこで、運用会社は自動的にリバランスしてくれる投資信託を考えました。次ページを見てみましょう。
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