順風満帆な道のりを歩むシャドウダンサー
シャドウダンサーが生まれたのは、日本競馬の中枢ともいえる大牧場・社台ファーム。小さい頃から牧場スタッフの評価はなかなか高かったようで、「母ダンスインザムードの最高傑作になるのでは?」という声もあるとかないとか。サラブレッドは、セリ市やバイヤーとの直接交渉(庭先取引)を経て、競走馬として引き取る馬主(オーナー)が決まります。シャドウダンサーのオーナーとなったのは飯塚知一氏。庭先取引で決まりました。
飯塚氏の所有馬は、他にダークシャドウやシャドウゲイトなど、馬名の前後に「シャドウ」と入るのがお決まり。ただ、シャドウダンサーという響きには、まったくそういう予定調和な感じがないんですね。ひと言でいうとカッコいい。もう少し詳しくいうと、すごくカッコいい。活躍馬になるにふさわしい名前だと思いませんか。
トップチームがシャドウダンサーを管理することに
馬主が決まった競走馬は、次に所属する「厩舎(きゅうしゃ)」を決めます。厩舎とは本来、馬が過ごす小屋のことですが、競馬においては、調教師をリーダーとする競走馬の管理チームのことを指します。競走馬がどの厩舎に所属するかは、すなわちどの調教師・チームの元で日々のトレーニングを積み、競走生活を送っていくかを意味します。JRAが所有する、現役競走馬用のトレーニング施設(通称トレセン)は2つ。茨城県の美浦トレセンと、滋賀県の栗東トレセンがそれですね。すべての厩舎はどちらかのトレセンに拠点を置き、その中で所属馬を鍛え上げていくことになります。
そして、シャドウダンサーが所属することになったのは、栗東の名門・角居勝彦厩舎。2007年に、牝馬のウオッカで日本ダービーを制覇するという快挙をやってのけたトップチームです。
シャドウダンサーが角居勝彦厩舎に入ると知った時、私はとにかく喜びました。一人でシャンパンを開けました。名前といい、厩舎といい、ここまでの過程すべてが完璧に見えます。名馬に育つ気がします。
6月初旬、シャドウダンサーは角居勝彦厩舎に到着。この時点で正式に競走馬としてJRAに登録され、いよいよ、デビューへ向けて本格始動となりました。私はワクワクが止まりません。今から初戦が待ち遠しい限りです(といってもまだ先の話ですが……)。
しかし、忘れてはいけないのは、先ほど言ったように、競馬は「1つ勝つのも大変」な厳しい世界であること。期待された馬がまったく輝かずに引退していくケースも多々あります。むしろそちらの方が多いほどです。
しかも、過去に私が期待した馬は、大抵が活躍できずに終わっています。POGという、何人かのメンバーでデビュー前の期待馬をそれぞれ数頭指名し、獲得賞金の合計を競うゲームでも、私は常に最下位争いです。その逆境の中で、シャドウダンサーがどんな走りを見せてくれるのか。たとえ厳しい結果になっても、温かく見守っていこうと思います。
そんなわけで、デビューへと着実に近づきつつあるシャドウダンサー。とはいえ、初レースを迎えるまでには、まだやらなければならないことがあります。ということで次回は、シャドウダンサーのデビュー戦までの道のりを追いかけていきます。
【関連リンク】
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