Wii U復活とゲーム人口拡大の質(2ページ目)

Wii時代のヒットタイトルはWii Uでも売れる？

今後のWii Uのタイトルの中で、ピクミン3やゼルダの伝説 風のタクトHDといったタイトルは、どちらかというと往年の任天堂ファンが喜ぶタイトルです。そういった方の中には、既にWii Uを持っているという人も少なからずいるでしょう。その意味では、Wii Uが苦戦している状況の中でも、ある程度確実な数字が見えやすいタイトルと言えるかもしれません。

逆に言うと、成功した時に、広い層に対して長期にわたって訴求していくのはWii Fit UやWii Party Uであるとも言えます。こちらのタイトルがターゲットとするのは、大ヒットした前世代機のWiiを購入したユーザー中でも、ファミリー層の割合が多く、Wiiを購入するまであまりゲームを遊ばなかったという人も含まれます。

ただし、ここで1つの疑問があります。WiiでWii FitやWii Partyを購入した人は、Wii Uで続編を買うだろうか、ということです。2013年3月に「ゲーム＆ワリオ」というタイトルが発売されました。手軽に遊べるパーティーゲームが多数収録されています。Wiiで発売された「おどるメイドインワリオ」は60万本以上売れています。しかし、Wii Uのゲーム＆ワリオは現在までに約6万本しか売れていません。

ガイドはこのゲームをプレイしていますが、決してゲームの中身が悪いわけではありません。むしろWii Uの面白さが詰まった良作です。しかし、Wii Uが苦戦する環境の中で実力を発揮することができませんでした。Wii Fit UやWii Party Uが、Wii Uの環境下でその実力をしっかり発揮してライトユーザーを取り込むことができるかというのは、大きな課題になりそうです。

本体値下げの可能性は低い

ここまで、ゲームタイトルについてのお話をしてきましたが、ハードを普及させる戦略としては、本体価格の値下げという手を思い浮かべる方も多いかもしれません。

もっとも、ゲームハードは、単純に値段が安いだけでは中々売れません。やりたいゲームが無ければタダでもいらないというのがゲームハードです。ただし、いわゆるキラータイトルとセットになった場合の値下げというのは大きな効果を発揮する場合があります。特に、子どもやファミリーといった、ゲームにたくさんのお金を使うことが難しい、あるいは抵抗のある層に対してはインパクトがあります。

任天堂が、Wii Fit Uや、Wii Party U、あるいはスーパーマリオ 3Dワールドなどのタイトルに自信があるのであれば、夏から秋ぐらいのタイミングで本体値下げというのは戦略的にはあり得るかもしれません。

しかし、おそらくその可能性は低いでしょう。というのも、任天堂は2014年3月期の決算で営業利益1,000億円を目指すと宣言しています。この目標の達成を考えるのであれば、発売から早い段階でのハードの値下げというのは非常に難しいということになります。値下げをして拡販しても、利益が出なくなってしまうからですね。

こういった状況の中でWii Uは復活が果たせるのでしょうか？