大満足できるパリのビストロノミー、ル・トロケ
ビストロノミー(ビストロとガストロノミーを合わせた造語。カジュアルな雰囲気の中で本格的な料理を味わうこと)という言葉もすっかり定着した今日このごろ。ビストロノミーといえばサンジェルマンデプレにあるレストラン、ル・コントワールが第一人者ですが、シェフであるイブ・カントボルト氏のホテル・クリヨン時代のお弟子さんが、今回紹介するビストロ、ル・トロケのシェフ、クリスチャン・エチュベスト氏。つまり、こちらもまたビストロノミーの哲学を実践しているお店となっています。まずここル・トロケの最大の特徴は、バスク料理のビストロであること。パリではバスク料理のお店がとても人気で、ハムやソーセージなどのシャルキュトリーをはじめとした無骨な肉料理が多いのが特徴です。が、ここでは魚料理も豊富なところが日本人には嬉しいポイント。
予約の電話をしたら「20時にぴったり来てくれないと席はないと思って。」とのこと。相変わらずの人気です。言われた通り20時に行くと、次々とお客さんが入って来て、20時30分の時点で店内は満席に。
ディナーのメニューは3皿で32ユーロ~。こちらでは他の店と違い1皿もしくは2皿だけというアラカルトのオーダーができないので、しっかりとお腹をすかせてからいきましょう。前菜、メイン、デザートとそれぞれ6種類の中から選びます。前菜は、シャルキュトリー(ハムやソーセージなどの豚肉加工品)やイバイオナ豚など、バスク料理のスペシャリテが並びます。前菜もかなりのボリューム。
メインはバスク料理にしては珍しくムールや鯛、ヒラメと魚介類が充実。あまりたくさん食べられない人は、前菜やメインを魚介類にするといいかもしれません。今回は鯛のポワレ、子豚の肩ロース、鹿の煮込みをオーダー。ワインの濃いソースを使ったり、魚の味を生かしたシンプルな味付けが印象的です。必ず付け合わせの野菜やポテトが別のお皿で来るのも何気に高ポイント。
デザートは柑橘系のジュレとソルベ、チョコレートがトッピングされたクレームブリュレ、チョコレートのアイスと、やはりバスク地方名物のチョコレートを使ったものが多いです。お腹いっぱい食べた後の量としては、多すぎずちょうどいいのでぺろりと食べられました。
あまりの人気に、カンティーヌという名のアラカルトのみの食堂もできたほど。こちらも人気が出て、2号店ができました。とにかく大人気のエチュベスト氏のビストロ。予約は1週間前くらいならば時間帯を選べると思います。
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■Le Troquet(ル・トロケ )
住所:21, rue François Bonvin 75015 Paris
電話:01 45 66 89 00
営業時間:12:00~14:00、19:30~22:30
定休日:日・月
アクセス:メトロ6号線Sèvres Lecourbeより徒歩5分
3皿でランチ30ユーロ~、ディナー32ユーロ~