VW(フォルクスワーゲン)/ゴルフ

新型ゴルフは今年ナンバー1の衝撃(2ページ目)

カローラに次ぐ世界のベストセラーカー、ゴルフがフルモデルチェンジを果たし、いよいよ日本の道を走りはじめた。フルモデルチェンジと呼ぶにふさわしい内容の7代目、300万円以下の実用車で、今年、ナンバー1の衝撃だ。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド


ワイド&ローでも“ゴルフ”に見える形

VWゴルフ

ボディサイズは全長4265mm×全幅1800mm×全高1460mm。旧型より全長55mm全幅10mm拡大、全高は25mm低くなった。前輪位置は40mm前方に移動

新型ゴルフのポイントは、4つだ。

1:新設計のモジューラープラットフォームを採用したこと
2:ボディサイズを大きくしながらも軽量化を計ったこと
3:高効率なパワートレインを用意したこと
4:上級車用安全装備を積極的に搭載したこと

日本仕様としてとりあえず用意されたのは、従来どおりの名称の3グレード。上級モデルから順に、ハイライン/コンフォートライン/トレンドラインである。

ハイラインには気筒休止付き1.4リッター直噴DOHCターボエンジン+後輪マルチリンク、その他には1.2リッター+トレーディングアームを積む、という具合に、パワートレインのみならず足回りの仕様にも違いを設けている点に注目してほしい。コストをギリギリまで煮詰めた国産車のような手法である。日本仕様のミッションは、すべて、7速DSG。

全グレードとも、「平成27年度燃費基準+20%」を達成、というのもまた国産車級。話題のシティエマージェンシーブレーキをはじめ数々の安全システムを標準で装備して、ここでも国産車党から“軽でも使っているのに”などというそしりを受けることが、もはや、なくなった。

誰がどう見ても“ゴルフ”に見える形ではある。けれども、旧型を横に並べて比べれば、随分と違って見えてくる。そして、最新のゴルフ7を見たあとでは、これまでのゴルフはおしなべて、“ずんぐりむっくり”な2ボックススタイルにしか見えてこない。

それもそのはず、で、一見ゴルフらしく見える新型のスタイリングだけれども、プロポーションがまるで異なる。全長と全幅がわずかに大きくなったにも関わらず、全高は下がっているのだ。ワイド&ローで、キャビンフォワードなデザインが、新旧において、隔世の感を与えるというわけだろう。

見栄え質感も、相当に高くなった。そもそもゴルフの“高級化”はフェルディナンド・ピエヒの後押しで第4世代に始まったものだが、ここにきて、一段と、徹底されたように思う。
VWゴルフ

室内が広くなり、新形状のシートと相まって快適性も向上。幅広のセンターコンソールは運転席側に少し傾けたデザインに

そのことを端的に物語っているのが、インテリアだ。いわゆるドライバーオリエンテッドに傾けられたダッシュボードの見栄え質感は、もはや、トゥアレグレベルである。昔ながらのシンプルな機能美、質実剛健さが失われてしまったようにも思えて少し淋しい気分にもなるけれど、そんな昔のゴルフ的役割は今や、up! やポロに引き継がれた、ということなのだろう。

それもまた、多くの国産党が、“ドイツ車のインテリアはつまらない”といって敬遠してきた要素であり、昨今のドイツ車は、ゴルフにかぎらず、キラキラ度合いが高まった。個人的には、少々、辟易しはじめているのだけれど……。ゴルフのそれは、まるで国産車だけれども、幸いなことに、デザインのまとまり、統一感だけは、崩れていない。

けれども、残念ながら、初期モデルには、備え付けのダッシュモニターに日本のナビゲーションシステムをインサートすることができなかった。今のところ、後付けのナビをダッシュ上に備え付けるほかない。写真の位置にナビ画面があると、確かに地図そのものは見やすいけれども、デザイン的にも、そして視界の目障り感的にも、難アリだと言わざるを得ない。

この辺り、未だ輸入車の限界を感じる点である。
VWゴルフ

ラゲージも旧型から30L拡大し380Lに。床面を10mm下げられる可変カーゴフロアが新たに採用された

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