VW(フォルクスワーゲン)/トゥーラン/シャラン

VWトゥーランのインテリア 生活に密着した堅実な使い勝手

走りも堅実ならば使い勝手も堅実。VWの真面目さがインテリア設計からもひしひしと伝わってくる。語るよりも生活を共に過ごすクルマ。ミニバンの本質を押さえたインテリアだ。

執筆者:川島 茂夫


随分とあっさりした室内である。機能をテキパキとあるべき場所にはめ込んだようなインパネ。硬めのしっかりとしたクッションのシート。腕や脚が収まる場所をちゃんと用意して、つまらないことで窮屈な印象を受けないようにしている。


セカンドシートは3分割で、それぞれ独立してスライド&リクライニングが可能である。さすがに3人掛けでは肩腰周りが窮屈だが、中央部に座っても一人前のシートが与えられているのが嬉しい。セカンドシートの中央部というと、とかく左右席に跨るようなのが多くて、肩身の狭い思いをさせられるが、定員乗車分のシートを用意しているのは真面目。もっとも、2人掛けではシート幅が狭く思えるのだが、面が崩れない硬めのクッションと平面的なバックレスト/座面形状のため見た目よりもゆったりとしている。ただし、座面角やヒップポイントの収まりのあまさからシートに身を委ねるようなホールド感が得られないのが残念である。

サードシートになるとヘッドルームもレッグスペースも男性には少々窮屈。セカンドシートを最前端にセットして座れるスペースが確保できる。こういったステーションワゴン型ミニバンでは、このくらいがふつうなのだが、お手頃全長のサイズを考えれば「よく頑張りました」である。もっとも、シート形状はフラットであり、必要十分な座り心地を残して、あとは収納性に向けたような印象は否定できない。これもステーションワゴン型では珍しいことではない。緊急用とするほど狭くも、酷い座り心地ではないので、キャラや適応用途からすればけっこう良心的な設計である。

サードシート使用時の荷室は買い物バッグなどのちょっとした小物置き場程度でしかない。4名乗車を基本として、サードシートに人を乗せるか、畳んで荷物を載せるかの選択をしながら使い分けるのが、この手のミニバンの考え方であり、そのためにサードシートは収納性や操作性をよくしているのだ。

なお、荷室床面下にはジャンプケーブルやカーケア用品などの車載常備品を納めるくらいなら十分な容量を持ったサブトランクが備わり、荷室の整理を容易にしている。こういった工夫はトゥーランが初めてではなく、国産ミニバンでは半ば常識化しているが、先発組の工夫を確実に取り込んでいるのも好感が持てる。

使い勝手のよさを求めて、悪く言えば手堅すぎる感もある。独自性とか個性を求めるドライバーならば薄味と感じるかもしれない。しかし、各部のしっかりとした造り込みや生活を楽しく心地よく過ごすための実用面での工夫を取りこぼすことなく入れ込んだ結果の「手堅さ」はミニバンには重要である。

走りでも述べたがVWは真面目である。ましてや生活に密着したクルマになるほど真面目さに拍車が掛かる。トゥーランが「面白いクルマ?」とか「先進的なの?」と尋ねられれば、「否」なのである。そんな興味本位で見たところでしようもない。先ずは自分の生活の中で乗って使ってみるクルマ。派手さや個性は少なくても、堅実な生活のパートナーであることがすぐに理解できるはずだ。
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