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鑑定評価とDCF法1

シリーズ「知っておきたい不動産投資用語」の第2回は、不動産鑑定評価とDCF法の解説です。ちょっと勉強してみましょう。

執筆者:江蔵 龍

最近、”不動産鑑定評価””DCF法”といった言葉が、新聞紙上に登場する機会が多くなってきました。

そこで、“知っておきたい投資用語”として、今回は不動産鑑定評価とDCF法について解説をしてみたいと思います。(ただし、中身が濃いため、No.1とNo.2に分けさせていただきました。)

[不動産ファンドとDCF法]
DCF法とは、法律の名前ではなく、不動産鑑定評価の1つの手法です。
今後、REITなどの不動産ファンドが、保有する不動産の時価情報を、投資家保護の観点から公開する機会が多くなるものと思われます。その時価情報の裏づけとして、多くの場合、不動産鑑定評価が活用されることが予想されます。

投資家は、この情報を参考に、不動産ファンドへ投資をするのか、どうするのかを決定することとなります。

不動産鑑定士が、不動産ファンドの保有する不動産の時価を求めるときには、DCF法により求めた価格を中心に最終的な時価の判定を行います。
このため、時価評価の仕組みというものをあらかじめ理解しておけば、皆さんが投資分析を行うに当って役に立つ訳です。

[鑑定評価の考え方]
ところで、不動産鑑定士と、その卵である不動産鑑定士補が、不動産の鑑定評価を行う際には、各自がバラバラの評価手法を適用することはできません。
不動産鑑定評価基準という統一基準に沿った形で、評価を実施しなければならないのです。

不動産鑑定評価基準において、不動産の価格を評価する際には、”取引事例比較法””原価法””収益還元法”という三つの手法を“併用する”ことが求められています。
こうした三つの手法は、いずれも不動産の価値に対する別の方面からの見方を意味しています。
つまり、「1つの見方に固執するのではなく、多方面から不動産の価値を検討しましょう」とされているのです。

DCF法は、三つの手法のうち、収益面から不動産の価値を検討する“収益還元法”に分類される、1つの手法です。

DCF法の具体的な内容に入る前に、まず、不動産鑑定評価の基本的な考え方についてみていきたいと思います。
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