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どんな物件を選べばいいの?(2ページ目)

競売不動産入門(その5)は、いよいよクライマックス!「どのような物件に的を絞って具体的な購入を検討すればいいのか?」です。

執筆者:江蔵 龍

2.物件明細書を分析しよう
では、占有者がいない空家物件、あるいは、占有者がいたとしても引渡が可能な物件であることを、どのように判断すればよいのでしょうか?

こうした物件か否かは、裁判所から提供されるいわゆる三点セットのうち、物件明細書を読むことによっておおよその判断がつきます。

物件明細書は、競売不動産に対し担当の裁判官の判断が示された書類です。
物件明細書の中には、「不動産に係る権利の取得及び仮処分の執行で売却により効力を失わないもの」という記載欄があります。

この記載欄には、競売不動産を落札したとしても、落札者が引き継がなければならない賃借権等が存在する場合には、その旨が書かれています。

つまり、現在の物件所有者と第三者との間で、すでに賃貸借契約が結ばれており、物件を落札したとしても、落札者は自ら使用することができず、引続き当該物件を賃貸しなければならないと判断された場合には、その旨が書かれるのです。

反対に、こうした賃貸借等がない場合には、記載欄に「なし」と書かれるか、または記載欄に斜線が引かれています。

したがって、この記載欄に「なし」、あるいは斜線が引かれていれば、“検討に値する”物件といえます。

なお、ここに記載された賃貸借であっても、落札後一定期間が経過した後に、引渡を受けることができる賃貸借というものもあります。詳しくは、専門家に相談などして、具体的な判断をすることをおすすめします。
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