不動産に投資することで得られる利益には、大きく分けて《インカムゲイン》と《キャピタルゲイン》の2つがあります。
《インカムゲイン》とは、家賃収入など、その不動産が恒常的に生み出してくれる収益のことをいいます。
《キャピタルゲイン》とは、不動産を売却したり、証券化した際の売却益のことをいいます。
不動産の売却益と聞いて、バブル時代の不動産投資を思い浮かべる方も多いかと思いますが、現在の不動産の価値は、着実かつ恒常的に利益をもたらす賃料収入(インカムゲイン)がどれだけあるかに大きく左右されます。
その背景としては、バブル崩壊後の地価の下落によって、従来の“値が上がったら売って利益を上げる”という方法が成り立たなくなってきていることと、日本の企業会計の基準を国際会計基準に近づける動きが本格的になり、金融商品や不動産を“時価”で評価する《時価会計》が導入されたため、実際にどれだけの現金を得られたかをみる《キャッシュフロー》が重視されるようになったことが考えられます。
●「不動産の評価は、利益を生む可能性は何なのかです。」
『土地だけだったら利益を生まないですから、ビルを建てる。ビルそのものには特に価値はないですけれども、事業としてどのくらい利益を生むかという判断で造るわけです。』
建物の価値は、あくまでも他の投資と比較してどのくらいの利益を最終的に生むかでしかないといいます。
『例えば、米国債は3%なので、ビルを建てて6%の利益が出るんだったら、ビルを建てた方が元本の割にはいいかなぁ、ということですね。』
また、不動産の場所も利益を左右するといいます。何故なら、その不動産が継続的な利益を生むには、多くの人が集まる場所でなければならないからです。
『この場所だったらいくらで評価するかっていうのは、あくまでもその場所で生む利益から逆算して決めることですよ。』と、レイさんは強調します。他にも、長持ちするもの、人口が増えてくる所など、いくつかのポイントで判断しているそうです。
『私たちが投資しているのは、今はあんまり見かけのいい所じゃないけど、実質的に成長している所ですね。ポートフォリオ運用を考えるときに、このような海外の安全な商品は適切であると思います。』
今回は、「ポートフォリオからみた不動産投資」でした。次回は、不動産投資そのものについて詳しくお話を伺います。
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