不動産の鑑定評価における3手法のうち、「原価法」・「取引事例比較法」についてはすでにお話しを終えましたので、最後の1つ、「収益還元法」について、都合2回見分けてお伝えしたいと思います。


収益還元法とは何?

その不動産を利用してどのくらいの収益をあげることが可能か、簡単に言えば、「収益性で価格を求めるなら」という考えに基づき対象不動産の試算価格を求める鑑定法です。

収益還元法には、いくつかの手法がありますが、『直接還元法』と『DCF法』という2つの手法が実務上採用されています。

具体的な説明に入る前に・・・

『直接還元法』は、半永久的に不動産を保有し続け、その不動産から生み出される“単年度の収益(家賃)”に着目して不動産の価格を導き出す手法であり、

『DCF法』は、不動産を投資対象と考え、“保有中の一定期間のトータルな収益”と“最終的な売却による収益”までを検討した手法であるという大まかなイメージを掴んでみて下さい。

○直接還元法は、対象不動産の初年度の純収益を、還元利回りで還元する(割る)ことにより価格が導き出されます。

不動産の専門用語では、この手法による試算価格を「収益価格」と言います。

純収益とは、対象不動産の賃貸収入・駐車場料金等の年間に得られる総収入から、維持管理費・修繕費・公租公課・損害保険料・空室等損失相当額等の年間にかかる総費用を差し引くことによって求められます。

そして、還元利回りとは、利益(純収益)を収益不動産の市場価格(収益価格)で割ることにより
求められます。還元利回りは4.5%~6%ぐらいで使われるのが多いと言われています。

算式に数字を入れて考えてみると、初年度の純収益が1,000万円で、還元利回りが5%の場合、収益価格は、1,000万円÷0.05=2億円と算定され、この算定により求められた2億円の物件を購入すれば、買主の期待する毎年5%の利益が得られていくであろうと言うわけです。

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