「どうしたら素敵になるの?インテリアのはじめの一歩」の記事でも書きましたように、座るところは非常に重要なインテリア要素です。照明、アクセントウォール、とひとつずつ踏んでいったステップでしたが、この3歩目の「椅子」=座るところについては話が尽きません。名作と呼ばれる様々な椅子の話や、椅子の構造や素材につきましては、別の機会にお話させていただきます。まずは、選ぶときのポイントをご紹介いたします。

そもそも、お揃いの椅子をならべる必要があるのでしょうか?

天童木工

バラバラのダイニングチェア/www.tendo-mokko.co.jp

椅子の座面の高さは、概ね380mm~430mmです。テーブルの高さも概ね700mm前後です。大切なのは、座った時に肘がゆったりとテーブル面に載せられる高さにあることですが、「心地いい」と思う高さの感覚は個人個人で異なります。1脚だけ見つけたアンティークの椅子の隣に、イームズの椅子があっても問題ないわけです。どうせなら、みんながとことん気に入ったバラバラの椅子が並んだダイニングコーナーも楽しい風景になるのではないでしょうか?一人暮らしの人が結婚した時に、二人の持ち寄った椅子を引き立てるコーナー作りをするというのもロマンチックですよね。
 

大事なのは「毎日の風景」として記憶に残っていく、という意識。

新国立

空いた椅子が「あなたの不在」を思い出させるアイテムだとしたら・・・

「座っているあなたとその背景に見えるもの」は、1セットとして、あなたが毎日を一緒に過ごす人たちの記憶に刻まれていきます。例えば、ご自身が旅行や単身赴任で留守の間、「あの人の椅子」と呼ばれる椅子はどんなデザインだったら嬉しいでしょうか?

椅子の文化の長いヨーロッパでは、3世代以上受け継がれるアンティークチェアも、最新のデザインの隣に並べて使われることも日常の風景です。その椅子が亡くなられた誰かを思い返すきっかけになるのも、素敵ですよね。
また、ご自身にとっても、座ったところからの目線の先にある風景は、日常の記憶としてあなた自身の記憶に刻まれていくのです。
 

どういう椅子が、あなたには必要なのでしょうか?

座る、腰かける、寄りかかる。そのためには、空箱でも、いい高さの鉄パイプでも、畳でも、名作と呼ばれる椅子でも、DIYの椅子でも構わないのです。どのような選択をするのでも構わないのですが、その際に気にかけていただきたいことがあります。屋外空間に革張りのラウンジチェアが似合わないように、屋内空間にプラスチックのガーデンチェアでは味気ないように、椅子には個性があり、その椅子が置かれるふさわしい空間を、素材やデザインが性格付けしているわけです。

「私だけの一脚」は、無意識のうちにその椅子の置かれた環境そのものを含んでいるのですね。自分自身や、パートナーにとって、居心地がいいと感じる空間はどういうテイストだったでしょうか?わからなくなってしまったら、「どうしたら素敵になるの?インテリアのはじめの一歩」で作ったスクラップを参考に、思い出してみてください。