快適性と俊敏性を兼ね備えた走り
2013年6月の発売時点での日本に導入されるバリエーションは、「320i」、「328i」、「335i」のそれぞれについて、スタンダードモデルと、「Sport」、「Modern」、「Luxury」というデザインラインと、「M Sport」というスポーティモデルがラインアップされています。「320i」と「328i」には、スペックを差別化した2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンが搭載され、「335i」には3リッター直列6気筒直噴ターボエンジンが与えられます。ディーゼルやハイブリッドは設定がありませんが、日本に導入されるセダンでは、直列6気筒エンジン搭載車はハイブリッドのみとなっているところ、グランツーリスモであれば選べる点も特徴です。トランスミッションは、すべて8速ATが組み合わされ、さらに「M Sport」ではシフトパドル等の付くスポーツATとなります。
「320i」系の2リッター直列4気筒ターボエンジンのスペックは、最高出力135kW[184ps]/5000rpm、最大トルク270Nm[27.5kgm]/1250-4500rpm、「328i」系は同180kW[245ps]/5000rpm、350Nm[35.7kgm]/1250-4800rpm、「335i」の3リッター直列6気筒ターボエンジンは同225kW[306ps]/5800rpm、400Nm[40.8kgm]/1200-5000rpm
乗り心地はいたって快適。3シリーズのセダンやツーリングに対して、ホイールベースが拡大されたことが効いてか、やや落ち着いたフィーリングとなっているように感じられ、外乱の影響をあまり受けることなくフラットな姿勢を保ちます。後席についても、前述のように居住性が高いだけでなく、乗り心地もいくぶん快適になっているように感じられます。
それでいて、BMWらしいドライビングプレジャーを満喫させてくれる、俊敏でかつ意のままに操れるハンドリングを持ち合わせています。すべての乗員が快適に過ごせて、たくさん荷物が積めて、ドライバーは走りも満喫できるから、日常を離れて、どこか遠くへ旅に出かけたくなる――3シリーズ グランツーリスモは、そんな雰囲気を持ったクルマです。
ますます多様化するユーザーのニーズに応えようと、このところBMWをはじめドイツの3大プレミアムブランドがいずれも積極的にラインアップのバリエーションを拡大し、こうして新しいモデルを続々と世に送り出しています。輸入車の定番として人気の高い3シリーズに、新しい付加価値を与えた3シリーズ グランツーリスモが、日本のユーザーにどのように受け入れられるのか、興味深いところです。