はじめに
予備校によっては夏くらいから答練とも呼ばれる模擬試験が始まります。これから模擬試験を受けようとする人達のために、今回は模擬試験の注意点を講師の立場からお話したいと思います。模擬試験を受ける心構え
「模擬試験はあくまで模擬試験」ということを忘れてはいけません。「模擬試験の結果が悪いから試験を受けない」という受験生が中にはいるようです。模擬試験は合格するために受けるのです。本末転倒です。点数が悪かったら「本番でなくて良かった」と思って開き直ることが大切です。十分に復習をすればいいだけの話です。本試験と模擬試験は違うのですから。
「模擬試験は模擬試験。本番は本番」と割り切ってください。「模擬試験の結果で一喜一憂しない」こと。これが模擬試験を受ける心構えです。
模擬試験に頼りすぎない
私も模擬試験の問題作成をすることがあります。過去問を分析し、司法試験や公務員試験など他の国家試験を参考にし、その上で、試験委員の著書や論文を読み、学会の動向までも探ります。これだけのことをしても、予備校は常に試験委員の後を追うという「いたちごっこ」になります。どんな予備校であっても試験委員に勝るということはありません。学識の差が歴然としているからです。
もちろん、問題を作成する側は本番の問題を予想して作成します。どの予備校も当てに行きます。しかし、行政書士試験の性質上、完全な予想は不可能です。
模擬試験は大切ですが、模擬は模擬。
もし行政書士試験対策が模擬試験だけで足りるのであれば、予備校の行政書士試験講座は模擬試験とその解答解説講座だけで良いはずです。しかし、そのような予備校はありません。つまり、模擬試験を暗記するだけでは合格できないということです。
「模擬試験の問題に賭ける」という人もいるようですがそれは誤りです。頼るべきは模擬試験ではなく、これまで積み重ねてきた自分の勉強です。