知的好奇心に応えたガイドブック「トラベルデイズ」

2012年に創刊された昭文社の「トラベルデイズ」シリーズも、個人旅行を応援する力強いガイドブックです。同社では、1996年に「個人旅行」を、その後「新個人旅行」シリーズを発行しました。この路線の延長線上にある「トラベルデイズ」にはどのような特徴があるのでしょう。

自分が行ってみたい国の概要を知り、幅広い町やエリアをカバーしている「地球の歩き方」とは異なり、「トラベルデイズ」はある程度紹介する町やエリアの数を絞りながら、歴史や文化、美術などを深く掘り下げた濃い目の情報が特長です。旅は「グルメ」や「ショッピング」ばかりじゃない! 現地の歴史的背景や文化についてももっと知りたいよね。そんな旅行者の知的ニーズに応えた内容で読み応えがあります。

 

マップルリンク

スマホ時代にふさわしい機能「マップルリンク」

都市はもちろんのこと、遺跡や世界遺産周辺の地図が充実しているのは、さすが地図の昭文社。さらに特筆すべきは、「トラベルデイズ」に収録されているQRコードからあらかじめガイドブックの情報をダウンロードしておくと、旅行先でネットにつながっていない環境であっても、その情報を閲覧できるアプリ「マップルリンク」が利用できること。スマホやタブレット端末全盛の時代に新しく開発された個人旅行向けガイドブックらしい仕様です。



 

もはやブランド!? 女子旅向け「ことりっぷ」

ことりっぷ

累計800万部を売り上げた大ヒットシリーズ「ことりっぷ」

「地球の歩き方」や「トラベルデイズ」が学生から社会人、シニアまで幅広い層を対象としているのと対照的に、ターゲットを徹底的に絞り込み、ガイドブック市場で一大旋風を巻き起こしているのが、「トラベルデイズ」と同じ昭文社が発行する「ことりっぷ」シリーズです。

2008年の創刊から5年間で累計販売部数は800万部を突破。国内版からスタートし、海外版や会話帖も加わって、アプリ版(電子書籍)も52万ダウンロードを突破しました。いまや、単なるガイドブックの域を超えて、自治体や食品、雑貨メーカーとのコラボ商品も登場するなど、「ことりっぷ」ブランドの勢いは留まるところを知りません。

これほどまでに人気の「ことりっぷ」。受けた理由は20~30代の女性の旅、いわゆる「女子旅」を楽しく応援することを目的に、判型、紙質、レイアウト、情報内容までこだわりにこだわり抜いた商品設計にあります。形はバッグに入れやすく手に取りやすい。表紙は和柄をモチーフに愛らしく装丁され、「いかにもなガイドブック」風ではありません。可愛い雑貨的な仕様なのです。

平均150gという軽さも女性向き。女性が好む雑貨やカフェ、スイーツ類の情報に力を入れ、ちょっとしたコラムを彩るフレームや縁取りなども洗練された素材を使用し、キュートで統一感があります。「表紙も中味も可愛いから」とプレゼントとして買い求めたり、自分のコレクション用として買い揃える女性も多いのです。

「敏感肌でもこの化粧品は使えますか」とか「この靴はつま先があたります」といった女子旅ならではのフレーズをピックアップした会話帖も大好評。通常、こうした旅会話帳の売上は平均年間1万部といったところですが、すでに7カ国版が出揃った「ことりっぷ会話帖」はどれも2~3万部を売り上げています。「ことりっぷ」人気に着目した国内や海外の自治体や観光局からもコラボの要請が多数寄せられていますが、同社では「ことりっぷ」のブランドイメージにふさわしい案件のみを実現させているとのこと。このブランド戦略が「ことりっぷ」人気を強く長く継続させているのでしょう。

「ことりっぷ」の人気を受けて、同じようなスクエアな判型のガイドブックシリーズもいくつか登場していますが、徹底したこだわり、洗練度ではやはり私は「ことりっぷ」が群を抜いていると思います。もうこれ以上新しいガイドブックが登場する余地はないかと思えたガイドブック市場に新風を送り込んだ「ことりっぷ」のさらなる飛躍が楽しみです。

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