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いまどきのガイドブック事情 比較&おすすめ(2ページ目)

旅行は旅立ちの前から始まります。どこに行こうかと旅先を検討し、ガイドブックを選ぶ行為も楽しい旅行の一環ですよね。一回の旅行につき、複数のガイドブックを買うのはもはや当たり前となりました。今回は、市場に氾濫するさまざまなおすすめ海外旅行ガイドブックを取り上げて、その特徴を探ってみました。

三田村 蕗子

執筆者:三田村 蕗子

航空券・飛行機ガイド

個人旅行の力強い見方として創刊した「地球の歩き方」

海外旅行のガイドブックと聞いて、あなたは何を思い浮かべますか? 私の場合は「地球の歩き方」。創刊から30年を経過し、すでにタイトルは100以上。ずいぶんとお世話になりました。他のガイドブックでは扱っていない辺境の国や地域からメジャーな旅行先まで、その内容はますます細分化しています。

例えば「リビア編」。こういう国までカバーしているのは「地球の歩き方」以外にはありません。

ここで「地球の歩き方」の歴史を振り返ってみましょう。創刊は1979年。ダイヤモンド社の子会社であり、大学生向きの旅行商品「ダイヤモンドスチューデントツアー」(DST)を販売していたダイヤモンド・ビッグ社が、旅行説明会の際に参加者に配布していたカタログが原型です。主要都市の交通機関や低料金のホテル、レストランなどの情報を掲載したカタログは大きな反響を呼び、DSTの参加者からは新たな体験談や情報が寄せられるようになりました。


こうした情報をベースにして最初に刊行されたのが「ヨーロッパ編」と「アメリカ・カナダ・メキシコ編」。1つの国にさかれる情報量は現在のガイドブックとは比べ物にならないほど少なかったはずですが、それでも情報を欲する当時の学生たちにとっては貴重な存在だったのです。

H.I.Sやマップインターナショナル(現在はH.I.Sの傘下)のような格安の航空券を販売する旅行代理店が誕生し、人気を集めたのもちょうどこの頃。1980年代に爆発的に増えた個人旅行者を牽引したのは、「地球の歩き方」とこうした新しいタイプの旅行代理店だったといっても過言ではありません。当時は、「文化の香りがしない」「How Toの情報だけ」と批判されたこともある「地球の歩き方」ですが、インターネットもなく情報が希薄だった時代、異国を歩きまわるために必要なデータや情報こそが個人旅行者が求めていたものだったのではないでしょうか。

1981年には「インド&ネパール編」が、翌年には「オーストラリア&ニュージーランド編」が発行され、その後も「地球の歩き方」は怒涛の勢いでラインナップを増やしていきます。しかし、その過程でターゲットや紙面は変化を遂げました。学生だけでなく、社会人もターゲットに据え、DSTの集客媒体から独立した本となり、読者層の裾野を広げたのです(DSTも1991年に終了)。

2002年には大リニューアルを図り、都市を歩く人向けの情報が強化され、従来の「地球の歩き方」に漂っていたバックパッカー臭はかなり払拭されました。かつての「地球の歩き方」を知る人、利用していた層の中には「『地球の歩き方』は変質した」と見る人も少なくありません。しかし私は、「地球の歩き方」は時代に合わせて内容を変え、ブランドとして残る道を選んだと考えます。時代背景を踏まえながらデザイナーを変え、シャネルやディオールのようなブランドが長く生き続けているのと同じブランド戦略です。

さて、現在の「地球の歩き方」の一番の魅力はやはりあの多彩なラインナップでしょう。メジャーどころからマイナーな旅行地までここまで広く網羅しているシリーズは「地球の歩き方」を措いてはありません。一つの本の中で都市を絞らず、たくさんの町やエリアの情報を掲載しているのも「地球の歩き方」だけ。できるだけその国のすみずみまで足を運んでもらいたい、そういうときに役立つガイドブックでありたいー。そんな編集部の強い意志を感じます。

同シリーズには、「歩き方」のみならず「暮らし方」、リゾート編もあり、「旅」のことならなんでもござれ。書店のガイドブックの棚に陣取る黄色い表紙はいまも旅の力強い味方であり続けています。


>>昭文社の2つのシリーズに注目!
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