緑茶の有効成分が無駄無く摂れる抹茶
お湯には溶け出さない有効成分も摂れるのが抹茶のよさ。
緑茶にはテアニンのほかに、ビタミンCや、β-カロテン、ビタミンE、カテキン(苦味成分)などの抗酸化成分も含まれ、肥満抑制、コレステロール上昇抑制、抗アレルギー、抗菌などの作用があると考えられています。
こうした研究の中には、高濃度カテキンなどを使用しての実験もあり、普通の緑茶を飲むだけで病気が治るというものではありませんが、おいしい緑茶には様々な有効成分が含まれているということは言えます。
しかしこうした機能性成分を期待していても、緑茶として湯で抽出しても溶け出さない成分があり、後は茶殻に栄養成分が残ってしまいます。例えば、β-カロテンやビタミンEは脂溶性なので湯に溶け出ません。
ですから、緑茶よりは抹茶として飲んだり、料理に使うと丸ごとの栄養が得られるのです。β-カロテンやビタミンEは飲んだり料理に添加して摂取すれば抗酸化性を示すそうです。(『食生活2012.01 Vol.106』)
抹茶をおいしく楽しむには
薄茶といわれるさらりとした抹茶をたてるには、だいたい1人分抹茶が2gに、湯は60ccです。流派により泡をたてる、たてない、半分たてるなど違いはあり、裏千家流ではしっかりと泡をたてます。泡をたてると、空気を含んで口あたりが柔らかくなります。この泡がたつのは、茶サポニンやペクチンによるもので、お湯が70~80℃が適しているそうです。抹茶の量が少なかったり、お湯の温度が低すぎても泡がたちにくくなります。ちなみに、茶の湯で使われる茶筅は、ガイドは世界一のホイッパーだと思っています。ミキサーで抹茶と湯をいれて撹拌しても、茶筅でふったようにきめ細かいクリームのようにきれいにたちません(もちろんたてる人のテクニックも影響はしますが)。茶筅があれば、ラテの泡立て器がなくてもきれいにできます。ですが、茶筅がなければ泡立て器などでどうぞ。
抹茶は、茶道を習わないと……、というような堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、作法にとらわれずに日常で楽しめばよいと思います。
暑い日には冷抹茶もおススメ
例えばこれからの蒸し暑い季節には、冷水で点てる抹茶は、苦味・渋味が出難いので、抹茶は苦手という人にもおいしく飲みやすい方法です。暑い日には、冷抹茶でひと時の涼しさを感じれば、イライラ解消にも役立つことでしょう。冷抹茶にする場合は、少し抹茶の量を多めにいれることがコツです。
近年は、抹茶を飲料として使用する比率よりも、抹茶を使ったスイーツ等に使用される比率の方が高くなっており、市販の抹茶ドリンクなどを利用して、りリラックスタイムを楽しんではいかがでしょうか。
参考/
・10のひみつ お茶の効用を科学する最新版2012(茶学術研究会編/(社)静岡県茶業会議所)
・『食生活2012.01 Vol.106』
・株式会社シタシオンジャパン調査結果リリース
・茶の湯の科学入門(淡交社)
その他