演歌・歌謡曲/演歌・歌謡曲 イベント案内

最古の歌謡DJイベント!オリエンタルソウルパラダイス

大阪・日本橋のR/H/Bで10年にわたり開催されている和モノDJイベント『実演!オリエンタルソウルパラダイス』。1990年代から横山剣、大西ユカリ、小泉今日子などと共演し、歌謡曲DJの草分けとして名高いDJジョーさんのハウスイベントとして、歌謡曲ファンにとどまらず、あらゆるジャンルのクラバーから愛されている。

中将 タカノリ

執筆者:中将 タカノリ

演歌・歌謡曲ガイド

オリエンタルソウルパラダイス!

今回紹介するのは大阪・日本橋のR/H/Bで10年にわたり開催されている和モノDJイベント『実演!オリエンタルソウルパラダイス』。1990年代から横山剣大西ユカリ、小泉今日子などと共演し、歌謡曲DJの草分けとして名高いDJジョーさんのハウスイベントとして、歌謡曲ファンにとどまらず、あらゆるジャンルのクラバーから愛されている。
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以前、ガイドが出演した際のフライヤー


深めの歌謡曲を聴くならオリパラ!

ガイド:今回はお忙しいところありがとうございます。個人的にも思い入れのあるオリエンタルソウルパラダイスを採りあげることができて嬉しいです。

ジョー:ありがとう。このイベントが始まったのはたしか10年前の2003年。初期に比べると開催頻度も落ちてきたけど、この6月15日の回で32回目やね。僕も50歳になった。
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左からジョーさん、ガイドの中将タカノリ、映画ライターの延山政弘さん


ガイド:記憶があやふやなところがありますが、けっこう早い時期から行かせてもらっていたと思います。DJ一人当たりの担当時間が長くて、マイナーなものからメジャー曲までMCも交えながらじっくりと聴けるのが印象的でしたね。勝新太郎の『サニー』『アン・チェイン・マイ・ハート』とか田代まさしの『新島の伝説』……オリパラで知った曲は数えきれないです。

「歌謡曲=日本のソウルミュージック」

ガイド:オリパラを始めたいきさつってどんな感じだったのでしょうか?

ジョー:それまではヒグチっていうDJとアメリカ村のグランカフェで『僕を呼んでおくれ』っていうイベントをやってたんだけど2002年に終わって。その頃にたまたま知り合いのイベントに呼ばれてR/H/Bを知ってん。場所は少しいかがわしい風俗街の中だし小バコだけど、いったん入ればマスターの人柄もいいしなじみやすかった。
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ポップに歌謡曲を楽しめ人気イベントだった『僕を呼んでおくれ』


ガイド:『僕を呼んでおくれ』の代わりになるようなイベントを始めようとしていたんですね?

ジョー:テーマとしては少し違うけどね。グランカフェでは100人とか200人の幅広いお客さんに楽しんでもらえるようにミッシェル・ガン・エレファントとかハイロウズ、ゆらゆら帝国みたいに当時流行ってるロックもかけんとあかんかってん。実際にハコ側からも「古い曲ばかりはやめてくれ」って言われてたから。

オリパラは「歌謡曲=日本のソウルミュージック」「歌謡曲をもっと身近に根付かせようじゃないかじゃないか」というテーマでもう少し的をしぼった感じでやりたかってん。

21世紀の歌謡曲黄金期 2002年~2003年

ガイド:当時はクラブシーンのみならず歌謡曲とか昭和っぽいものがすごく盛り上がってましたね。僕はまだ十代でしたが、確実になんらかの形でフォロワーだったと思います。今にくらべるとベルボトムはいたりサイケファッションの人が集まるイベントがいっぱいあった印象です。

ジョー:うん。2002年、2003年頃は歌謡曲が盛り上がってくる波を感じてたね。日本中で大きなイベントがあって、呼んだり呼ばれたり共演したりで、渚ようこコモエスタ八重樫、サミー前田、ザ・ヤングとか横のつながりが急速に広がってたから。今考えるといい時期に始められたと思う。

ガイド:クレイジーケンバンドとか大西ユカリさんが全国的に注目されはじめた時期でもありますね。21世紀の歌謡曲黄金期とでも言えばいいでしょうか。オリパラにもいろんな人が遊びに来てましたね。

現存する日本最古の和モノDJイベント

ガイド:2000年代初頭にくらべるとシーンの規模は格段に縮小してしまってますが、オリパラが存続しているからなんとか連続性が保たれている部分って大きいと思うんです。

ジョー:「現存する最古の和モノイベント」だっていう自負はあるよね。昔にくらべると開催頻度も減って大変な部分もあるんだけど、なんとか続けていきたい。

ガイド:毎回ではないけど昔から通ってるお客さんって多いですからね。

ジョー:そうやね。昔から好きでいてくれる人がいるし。時代はくりかえすって感じで、オリパラみたいにじっくり聴かせるイベントがまた評価されてくると信じてるからね。

ガイド:じっくりの部分ももちろんですが、定番ダンスナンバーも魅力的です。

ジョー:クールスの『シンデレラ』、ラブマシーンの『お前は夢の中』、ローズマリーの『可愛いひとよ』、静かなところではケン田村の『わすれておしまい』あたりかな。踊ってばかりとか語ってばかりじゃなくて、緩急のあるイベントが楽しいもんね。

最近のオリパラ

ガイド:最近のオリパラは、昔にくらべて意識的に変化させている部分はあるのでしょうか?

ジョー:歌謡曲とか芯の部分は一緒だけど、近年はあえてコンセプトを挙げず、ゲストDJや出演者によって毎回カラーを少しずつ変えていってるね。アイドルにフォーカスしたり「8センチCDシングルだけ」っていう縛りを作ってみたりね(笑)。
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懐かしの8センチCDシングル


ガイド:8センチCDシングルだけっていうのはキツいですね(笑)。斬新には感じますけど。

ジョー:若いDJでレコードやCDアルバムいっぱい持ってるコはいっぱいいるけど、案外8センチCDシングルは盲点になってるんだよね。でもCDJが出始めた頃は、流行の曲はもちろん8センチでリリースされるから普通によく使っていた。個人的には実はなつかしいねん。

それと、意図的に蒐集してないからこそ、若いDJの素の部分やルーツを見ることができるかなっていう狙いもある(笑)。

ガイド:それは怖いですね~(笑)。意図的に蒐集して準備しておくので、また僕も呼んでください!

ジョー:ぜひ!

インタビュー盛り上がったので続編も

いかがだっただろうか。今回のインタビューは予想以上の盛り上がりを見せ、DJジョーさんの経歴を通して日本の歌謡曲DJシーン全体の歴史にまで話がおよんだ。歌手やバンドにくらべるとDJシーンの歴史が記録されることは極めて稀。というわけで次回は引き続きDJジョーさんにご登場いただき、ここ20年の歌謡曲DJシーンを語っていただこうということになった。乞うご期待!
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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