白虎隊の悲しい最期を描いた曲

1986年10月に発売されたこの曲は、年末時代劇「白虎隊」の主題歌としても知られています。小椋佳さんの作詞、堀内さんの作曲のこの作品は、しっとりとした曲と物悲しい歌詞で白虎隊を彷彿とさせます。

私はドラマを見なかったのですが、「白虎隊」の主題歌だったと知ってから改めてこの曲を聴き、若い隊士たちの悲しい最期を描いていた曲だったことが初めて分かりました。戊辰戦争の史実を思いながら聴いてみると、さらに歌詞の深さに気づかされます。

フォークバンド「アリス」では谷村新司さんとともにボーカルを勤めていた堀内さんですが、ソロに転向してからは演歌・歌謡曲をメインに手がけています。もともとバラードも素敵に歌い上げていた堀内さんですが、力強く少し荒削りな雰囲気のある歌声が、この曲にピッタリです。

小椋佳さんもこの曲をセルフカバーしていますが、堀内さんのバージョンよりアップテンポにアレンジされています。聴き比べてみると、堀内さんは昔話をするかのように「少年達が白虎隊として悲しい最期を遂げたんだ」と古い時代を語り聞かせているように歌っているようです。

それに対して小椋さんのほうを聴いていると、白虎隊士たちが時代の渦に巻き込まれ、最後には戊辰戦争で自ら命を絶っていく時間が、今この目の前でよみがえっていくようです。前奏部分に風の音が入り早めのテンポで流れていくため、若い命が散って行く悲しさが胸に響きます。

小椋さんのバージョンを初めて聴いたとき、しばらく涙が止まらなくて困ったほど悲しい気持ちになってしまいました。20歳で戦死した私の大叔父も、こんなふうに死を覚悟して戦地に赴いたのかと想像しています。

この翌年も、「田原坂」という西郷隆盛の半生を描いたドラマにも、「愛しき日々」のカップリング「遥かな轍」が主題歌に使われています。また、2000年は五木ひろしさんに「山河」を提供しています。スケールの大きな曲を生み出す小椋さんと堀内さんのコンビで、また新たな曲が誕生しないだろうかと願っています。



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。