不動産売買の法律・制度/不動産売買ワンポイントアドバイス

お知らせ看板

「お知らせ看板」とはどのようなものかご存知ですか? 購入を検討する物件の現地見学へ出掛けた際には、隣地や周辺の敷地に「建築計画のお知らせ」のような看板が立てられていないかどうかを確認してみましょう。物件そのものだけでなく、周囲を観察することも大切です。

執筆者:平野 雅之

【不動産売買ワンポイントアドバイス No.009】

お知らせ看板

お知らせ看板の現物はもちろん黒塗りされていません


街を歩いていると、ときどき「建築計画のお知らせ」あるいは「事業計画のお知らせ」「開発事業のお知らせ」などと書かれた看板が目につきます。これはその土地で計画されているマンションやビル、宅地開発などの概要を示すもので、一般的に「お知らせ看板」と呼ばれています。これから建築をする場合だけでなく、解体工事のお知らせ看板のときもあります。マンションの建設計画であれば、「建築計画のお知らせ」と書かれている場合が多いでしょう。

この看板は自治体による中高層建築物条例や開発条例になどに基づく「法定標識」であり、設置が求められる規模や期間は自治体によって異なります。高さが10メートルを超える場合、15メートルを超える場合、20メートルを超える場合などといった規定のほか、延べ床面積や用途に応じて細かく規定されている自治体もあります。 お知らせ看板を掲出しなければならない時期も、自治体によって、あるいは同じ自治体でも規模によって異なりますが、建築確認申請などの手続きをする日の15日前、30日前、60日前などと定められています。

いずれにしても、近隣住民との紛争を予防することが主な目的のため、実際の建築手続き(建築確認申請やその他の申請)を行なう前に看板を設置することが求められています。それとは別に、近隣住民に対する説明(説明図書の配布や説明会の開催など)も義務付けられているケースが大半でしょう。そのため、お知らせ看板が立てられたきり、何年も計画が頓挫したままになっていることもあります。

マンションだけでなく一戸建て住宅の場合でも、購入しようとする物件の現地見学に出掛けたときには、周囲にこのような「お知らせ看板」が立てられていないかどうかを確認しましょう。日照や通風、眺望、あるいは環境に影響を及ぼすような建築計画が具体化していれば、看板が立てられているケースが多いものです。空き地にかぎらず、居住中の建物やその敷地に看板が掲示されていることもあります。もちろん、お知らせ看板がないからといって、将来にわたり隣地に高い建物が建たないというわけではありませんが…。


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