読んでさわって楽しむ絵本には魅力がいっぱい!
お手玉・あやとり・コマ回し……昔から子どもたちは手を動かして遊んできました。子どもたちにとって、手先を動かしたり指先を刺激したりすることはとても大事なこと。現在では、手先の巧緻性を養うだけでなく、脳の活性化に役立つとの考えも広まっています。昔の人もそのことに気付いていたのでしょうか、手遊びなどを子育てに上手に取り入れていましたね。実は、絵本にも、さわったり指先を使ったりしながら楽しむ作品がたくさんあります。今回は、そんなさわって楽しむ絵本をご紹介しましょう。聞いて、見て、さわってと、感覚をフル稼働させて楽しむ絵本には、普通の絵本では味わえない魅力がいっぱいです。まずは、ふわっふわの感触が癖になりそうな絵本からどうぞ。
ふわふわの感触が気持ちいい絵本
「さわる絵本」は、絵本としての魅力を高めるだけでなく、触覚によって情報を得る能力も高めると言われています。そんなさわる絵本の中でも、特にふわふわの感触が気持ちいい絵本は、そのなんとも言えない癒されるような手触りが、子どもたちだけでなく、大人にも大人気です。初めてさわる絵本を選ぶなら、ぬいぐるみや人形を触っているようなふわふわ感が味わえる絵本はいかがでしょう。■ふわふわ だあれ?(ぴよちゃんとさわってあそぼ!)
赤ちゃんのためのふわふわ絵本の定番と言われる、いりやまさとしさんの「ぴよちゃんと さわって あそぼ!」シリーズから『ふわふわ だあれ?』をおすすめします。丈夫なボードブック(厚紙合紙絵本)にふわふわな手触りの布を張り付けた遊べる絵本です。
お顔を隠していたり、後姿だけが描かれた動物たちの名前を、ふわふわな布をヒントに当てていくなぞなぞ風の展開が、赤ちゃんの興味を惹きます。「今度は誰だろうね? ねこさんかな、いぬさんかな?」などと、赤ちゃんと言葉を交わしながら絵本を読む楽しみは格別ですよ。なんでもお口に入れてしまう赤ちゃんの為に、印刷には植物油インクを使っていますから、安心です。
■ちびくま (さわってあそべるふわふわえほん)
長い冬が終わり、おひさまがキラキラ輝き始めた時、しろくまのかあさんが、ちびくまに言いました。「とうとう そとのせかいに おでかけするときが きたようね」ちびくまははりきって探検に出かけていきますが、夢中になって遊ぶうちに迷子になってしまいました……。
ちょっぴり甘えん坊で好奇心いっぱいのちびくまくんが繰り広げる小さな冒険物語は、ピーチスキンのような柔らかな肌触りの動物たちがたくさん登場し、目や耳だけでなく手からも子どもたちの心を捉えます。最後は、無事にかあさんぐまの許に戻ってくる「行きて帰りし物語」は、読み手も聞き手もなんだか温かくてホッとしますね。少し長いお話が聞けるようになったお子さんにおすすめです。