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ガイド共著の『子どもの本と<食>—物語の新しい食べ方』(玉川大学出版部, 2007, 2,835円)ここで購入!子どもはおいしいものが大好き。絵本にもそんな疑似体験を求めているのかもしれませんね。 |
この世のものではない場所の食べ物を食べることによって、もとの世界に戻れなくなる、といったファンタジーもあります。食べ物って、何気ないけれどけっこう重要です。深い意味があるから、子どもは無意識的にひきつけられるのかもしれません。今回は、2006年10月に行われた「絵本に出てきた食べもので食べてみたいものランキング」に注目してみましょう。
昔ばなしが印象に残る
絵本というと、創作のお話を考えがちなのですが、多くの方が昔ばなしに出てくる食べ物を挙げています。土地に固有の食べ物や、ごく普通の庶民の食事ですが、耳から聞くことの多いお話の中では様々に空想できます。一番最初に出会う物語の「食」のイメージは強烈に残ります。お菓子が多い
絵本のテーマになるのは、普段の家での食事よりも、お弁当やおやつが多いです。子どもにとって、本を読んだり読んでもらったりするのは、ちょっとしたトリップ体験であり、その中でぐっと強烈なイメージに訴えかけるお菓子やごちそうが選ばれるのかもしれませんね。また、お菓子やおやつは、子どもでも簡単に作ることができ、親近感があります。ホットケーキのタネをまぜる、ビスケットにトッピングする、果物を盛り合わせる、などのお手伝いは2歳くらいから、お父さんやお母さんと一緒にできますね。自分の実体験を重ねて絵本を読んでもらうと、さらに楽しさがふくらみます。