ビ・シフロール錠(日本ベーリンガーインゲルハイム)
ビ・シフロール錠(日本ベーリンガーインゲルハイム)
ビ・シフロールは、脳内物質であるドパミンと似た働きをする「ドパミン作動薬」の一種です。これまでは、ドパミンの働きが悪くなるパーキンソン病の治療薬として使われてきました。
実は、むずむず脚症候群も、ドパミンの異常が原因と考えられています。そのため欧米では、むずむず脚症候群の治療にまず、この薬が使われています。日本で行われた臨床試験でも、薬を飲み始めて1週間で効果が出始め、8割の人で有効でした。
ビ・シフロールで見られる副作用には、吐き気や胃の不快感など消化器系のものがあります。また、強い眠気や突発的に眠ってしまうことがあるので、服用中には自動車の運転や機械の操作、高所での作業など、危険を伴うことはしないように、注意が必要です。
大人では、ビ・シフロールを1日1回、就寝の2~3時間前に飲みます。薬の量は0.125mg から始めて、症状を見ながら1日0.75mgを超えない範囲で増やせます。多くの場合は、0.25mg ぐらいで症状が落ち着きます。ただし、副作用などを避けるため、少ない量での使用が望ましく、増量は1週間以上かけて行います。
レグナイト錠(アステラス製薬)
レグナイト錠(アステラス製薬)
ガバペンチンは、胃腸からの吸収され方が人によってまちまち、という欠点がありました。レグナイトではその点が改良され、吸収されやすく、血液中の濃度も長い時間保たれるようになりました。
レグナイトの優れている点は、むずむず脚症候群の症状を抑えることに加えて、不眠もしっかりと治してくれることです。ビ・シフロールは、脚の症状が取れたあとも不眠が残ることがありますが、レグナイトではそういうことが少なくなりました。
また、ビ・シフロールは、飲んでいるうちに効果が弱くなって症状がひどくなったり(症状促進現象あるいはオーグメンテーション)、飲むのを止めるとそれまで以上に症状が悪くなったり(リバウンド効果)することが多いのですが、レグナイトではあまりありません。
一方、レグナイトは、むずむず脚症候群に合併しやすい、足の周期的な運動(周期性下肢運動障害)には効きが弱くなります。また、副作用としては飲み始めの時期に、ふらつきや眠気が生じることがあります。そのため、飲んだ後に自動車などを運転することは、禁止されています。
レグナイトの飲み方としては、少ない量から初めて、効果や副作用を見ながら少しずつ量を増やしていく方法が、勧められています。具体的には、まず1日に1錠(300mg)から初めて、しばらく間をおいてから2錠(600mg)に増やすのが良いようです。腎臓が悪い人は、1日1錠までにしておきましょう。
ニュープロパッチ(大塚製薬)
ニュープロパッチ(大塚製薬)
皮膚から薬が少しずつ吸収されるため、血液中の薬の濃度が1日中フラットに近く保たれます。そのため、脚の症状が夜だけでなく日中にも出る人に、使いやすい薬です。
ニュープロはビ・シフロールに比べて、症状促進現象が少ないことも特長です。ヨーロッパで行われた調査では、ニュープロを飲んだ人の5%にしか、症状促進現象が見られませんでした。
むずむず脚症候群で使うニュープロには、3種類の大きさがあります。まずは一番小さい2.25mgを、1日1回貼ります。薬を貼る場所は、肩・上腕部・おなか・おしり・太もものいずれかです。1週間ごとに2.25mgずつ増やして、最大6.75mgまで使えます。
ニュープロは副作用が少ない薬ですが、多くの人で貼ったところがかゆくなることが問題です。貼る前に、保湿クリームを塗るなどの対策が必要です。
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むずむず脚症候群
ビ・シフロール錠
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