予測できない二人の恋愛の行方は?
■監督成瀬巳喜男
■主演
司葉子、加山雄三
■おすすめの理由
私にとっては王道中の王道の日本の恋愛映画がこの「乱れ雲」です。
初めてこの映画をテレビで見たのが確か小学生の時だったと思うのですが、子供心にドキドキしながら見たものです。いけないことをしようとしている大人たちを覗き見ているような、そこはかとなく漂って来る男と女の色気……早い話が当時はとてもエロく感じられたものです。
大人になってから改めて見返してみると、当時よりは割とあっさりと感じられたものの、主演の司葉子の美しさと加山雄三のカッコ良さは健在。障害のある恋愛なんて、もう今では存在しないのかもと思いつつも、やはりこの切なさは時代を超えて理解されるものなんだ、と思いたくてまた見たり。
二人の恋の行方は最後の最後まで盛り上がりを見せつつ、予測できないところも、当時恋愛映画を撮らせたら右に出る者はいなかった成瀬巳喜男ならではの演出。
脇役で光っている森光子や草笛光子、浜美枝の豪華女優競演にも注目です。