見ている人を怖さの世界へとじわじわと引きずりこむホラー映画
■作品名幽霊屋敷の蛇淫
■監督
アンソニー・ドーソン
■主演
ジョルジュ・リヴィエール
■DVD発売元
紀伊國屋書店
■おすすめの理由
目に見えないものだけに、恐怖心が更に増すというのがこの幽霊屋敷の蛇淫です。誰に言っても信じてもらえないからこそ、体験したものだけが自分を追い詰めてどんどんとパニックしていく様に恐怖を覚えるのです。
古びた館に一人で寝るだけでも怖いですが、そこで次から次へと怪奇が起こる事も恐ろしいのです。美しい女性と館で出会い、その女性に興味を持った為に恐ろしい世界へと引きずり込まれるという姿にも寒気を感じます。
愛してはいけない人を愛してしまう男性の心の心境と、この世のものではない女性が生きている男性を愛してしまうという部分も悲しく、より見ている人を絶望へと落とします。
ジャケットの血の池と人が沈むような絵も怖いですが、この映画は、じわじわと見ている人を怖さの世界へと洗脳していく部分が良い部分です。モノクロでよりおどろおどろしい暗い雰囲気の館になり、より気持ち悪さを感じます。
館の中に閉じ込められた時の人間は、平常心が保てなくなって頭も行動もおかしくなっていきます。その様子をこの主人公が上手く演じていて、身も心もボロボロになっていく様子が可愛そうでもあります。
この主人公の最後が特に気の毒で、見終わっても脳裏にその姿が焼きついてしまうホラー映画です。