張りつめた緊張感や鬼気迫る表情がなんとも言えない怖さに導く
『アッシャー家の惨劇』
■監督ロジャー・コーマン
■主演
ヴィンセント・プライス
■DVD販売元
エスピーオー
アメリカの小説家、エドガー・アラン・ポーの短編小説で、ゴシック風の幻想ホラー「アッシャー家の崩壊」が原作の映画、「アッシャー家の惨劇」です。
エドガー・アラン・ポーが原作というだけで、すでに怪奇なムードが漂っているのですが、監督は数々のホラー映画を生み出したロジャー・コーマン監督。
1960年に公開されました。
主演はアメリカの俳優、ヴィンセント・プライスで、クリストファー・リーやピーター・カッシングなどとともにホラー映画の一時代を築き上げた名優です。
■あらすじ
物語の舞台は晩秋のニューイングランド……
ボストンで出会った婚約者の実家、アッシャー家を訪れたフィリップ(マーク・デーモン)は、痩せ衰えてしまった彼女の姿に驚く。
さらに、その家には、二人の結婚に反対する不気味な態度の兄(ヴィンセント・プライス)がいて、
違和感を覚える。
そして、その家の地下にはなぜか兄妹の名前が刻んだ棺があるのを発見。
彼女をその不気味な家から連れ出そうとするが、突然急死してしまう。
しかし、それは発作を起こす持病を持つ彼女が、仮死状態になっていただけで、彼女は生きたまま棺に閉じ込める……
■おすすめの理由
派手な演出や、ハラハラ、ドキドキのスリリングさとは違い、ずっと糸が張りつめているような緊張感があり、鬼気迫る役者の表情などが、クライマックスまで、なんとも言えない怖さに導きます。
絶対に泊まりたくない不気味さ満点のお屋敷、怪しいヴィンセント・プライス……
もう、絶対とんでもないことが起こるぞ!と思わせる演出は、さすがで、ホラーというより、
まさに「怪奇」という文字が当てはまります。
ホラー映画の一時代を築き上げた名優と言われているだけあり、ヴィンセント・プライスがなんとも言えない恐ろしさを醸し出しています。
そして、ラストシーン……
婚約者役の美女(マーナ・ファーイ)が、とても美しいだけに、凄まじく恐ろしい。
身の毛もよだつ、演技も見ごたえがあります。
(しばらく、きっと頭と耳に焼き付いて離れないかも知れません!)
古典ゴシックホラーの実力を知った作品です。