出産・育児費用/出産・育児を助ける各種制度

妊娠・出産でも健康保険が使えるケースとは?(3ページ目)

妊娠や出産は病気ではないため、公的な健康保険は使えないのが原則です。ただし、妊娠や出産が原因で体の具合が悪くなり、治療が必要になると、健康保険が使えるケースもあります。どんなケースがあてはまるのか、詳しくみてみましょう。

拝野 洋子

執筆者:拝野 洋子

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 / 年金・社会保障ガイド

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妊娠中、出産、入院中で健康保険が使えないケースは?

妊娠中、出産、入院中で健康保険が使えないのはどんな場合か、確認してみましょう。

■妊婦定期健診
平均14回ほどで1回5000円から1万円ほどかかる定期健診で健康保険は使えませんが、妊婦健診費用の一部を全国1741市区町村(平成26年4月時点)の自治体が補助しています。

出生前診断
新型出生前診断、超音波診断、トリプルマーカー検査、羊水検査などがありますが、いずれも健康保険は使えません。

異常が生じる前の胎児が正常な妊娠状態での健診・検査・診察費用などには健康保険が使えません。例えば、胎児の心音停止で帝王切開して26週で切迫流産の場合でも、胎児の心音が正常だった26週前の診察までは健康保険が使えません。

出産で健康保険からもらえるお金はどれくらい?

出産手当金や出産育児一時金などは、一定期間を過ぎると請求できなくなるので注意!

出産手当金や出産育児一時金などは、一定期間を過ぎると請求できなくなるので注意!

出産すると健康保険や国民健康保険からもらえるお金があります。支給要件を確認してみましょう。

出産手当金
本人が会社に在職中に出産した場合に、産休中の生活を支えるために勤め先の健康保険から支給されるのが出産手当金です。産休とは出産休業のことで産前42日・産後56日の休みを指します。

■出産育児一時金、家族出産育児一時金
本人及び扶養されている家族が出産した場合、子ども1人につき42万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産された場合は40万4000円)支給されます。妊娠85日以上だった場合は、死産や流産、人工中絶でも支給される可能性があるので保険者(勤め先、市区町村役場など)に申請しましょう。

高額療養費
健康保険適用で標準報酬月額28万から50万円までの世帯だと、治療費の自己負担額を合算して約8万100円(住民税の非課税者等は約3万5400円、収入により5段階)を超える場合、高額療養費として支給申請することができます。入院が予定される時は、事前に「限度額適用認定証」を保険者に申請すると、病院での支払いは自己負担限度額だけで済みます。

出産手当金や出産育児一時金、家族出産育児一時金出産日の翌日から2年以内、高額療養費は診療を受けた翌月初日から2年以内に支給申請しなければなりません。2年の時効で請求ができなくなってしまうのです。

健康保険が使えると、安心して治療を受けることができますよね。健康保険の適用は医師の判断に委ねられるのですが、明細をみて病院に聞いてみたりもできます。民間の医療保険に入っている場合も、給付金請求のときの参考になります。


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