不動産売却・査定/不動産売却の流れ・基礎知識

売った後の責任、瑕疵担保責任とは?(2ページ目)

売主には、売った後にも一定期間売った物件に対して、不良部分があれば修復しなければならない責任が生じます。この、引渡完了後も一定の間、買主に対し発生する売主の修復責任のことを「瑕疵担保責任」といいます。

楯岡 悟朗

執筆者:楯岡 悟朗

土地活用・不動産査定ガイド


建物がない土地の瑕疵

瑕疵は建物の場合のみと考えてしまいがちですが、建物が建っていない土地だけについても、瑕疵というのは存在します。具体的には以下の2つが挙げられます。

・土壌汚染
・浄化槽やコンクリートなどが埋まっていた

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土地を掘り返してみたら、売主も知らないとんでもないものが出てくる可能性も

土地上に薬品を多用する工場が建っていて、その影響で土地が汚染している状態。これは土地の瑕疵にあたります。また、撤去に費用がかかる浄化槽やコンクリート等の廃材などが、地中に埋まっていた場合も土地の瑕疵となります。これらの廃材の他に、不発弾が埋まっていたこともあったそうです。それが瑕疵に当るのか当らないのか? その撤去費用を売主、買主どちらが処理するのか? 裁判で争った結果、売主が撤去費用を出さなければならないとの判決も出ています。つまり瑕疵と認定されたということです。

ベストな対応とは?

瑕疵とは言っても、実はそれほど大がかりな費用も費用もかからず、あっさり解決する場合もあります。しかし、発生の初期段階で売主の対応が遅れてしまうと、大きなクレームに発展してしまうこともあります。特に雨漏りなど生活に支障をきたしてしまうような場合には、当然買主は早急な対応を売主に求めます。

ただ、契約時に瑕疵担保責任について説明しているにも関わらず、いざその事態に陥ると「売った物件のことなんて知らない。勝手にやってくれ」と、修復責任はおろか現場立ち会いも拒否される売主が少なからずいます。まさか自分が当事者になるなど思いもよらなかったからかもしれませんが、残念ながらその言い分は通用しません。

瑕疵が判明し、取引終了後もその対応に追われるということは、当事者にとっては心労でしかありません。誰の責任でもない災難としか言いようがなく、ついつい感情的になってしまいがちです。

売主・買主互いの気持ちは分かりますが、感情的になっても解決することはありません。起こってしまったものは仕方がないと、腹を据えて冷静に対応し売主・買主のこれ以上のトラブル防止に努めることが何より重要です。
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