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税制にみる不動産投資のメリット~相続税編(2ページ目)

税制にみる不動産投資のメリットとして、今回は相続税についてお伝えします。

佐藤 益弘

執筆者:佐藤 益弘

不動産にまつわるお金ガイド

相続税評価

相続税評価は土地と建物で、評価方法が違います。まずは土地から見ていきましょう。

<土地>
土地は毎年7月頃発表される「路線価」をもとに計算します。
「路線価」は地価に最も近いとされる「公示地価」の約8割の評価です。
この路線価に土地面積を乗じ、敷地の形状による補正率をかけて算出されたものが、相続税の評価額となります。

賃貸経営をしている土地の場合、「貸家建付地評価」となります。
借地権割合は30%~90%で地域により異なります。
これに借家権割合(30% 地域により40%)をかけたものが評価減となります。

例)相続税評価額1億円の土地の場合(借地権割合70%・借家権割合30%で計算)
1億円×(1-0.7×0.3)=7,900万円→  貸家建付地評価額

このように更地のままの土地評価は1億円ですが、賃貸住宅を建てることにより土地評価が7,900万円に下がります。

小規模宅地による特例
さらに、アパートやマンション用地は「貸付事業用宅地」となり200平方メートルまで課税対象額が50%減額されます。

<建物>
建物の評価は「固定資産評価額」をもとに計算されます。
この固定資産評価額は建築価格のおおむね60%となります。

さらにアパート・賃貸マンションは借家評価となるため、借家人の権利(借家権)が減額されます。借家権割合は30%(地域により40%)です。
例)
建築費5,000万円の建物→固定資産評価額3,000万円
借家権減額3,000万円×(1-0.3)=2,100万円
以上から建築価格5000万円の建物に対して、相続税の評価は2100万円ということになります。

次に区分所有のマンションの相続税の評価方法についても見ていきましょう

<区分所有のマンションの相続税評価>
マンションも土地持分と建物持分がありますのでそれぞれに評価します。

土地持分
路線価をもとによりマンション全体の土地を評価し、そのあと土地持分を乗じます。

建物持分
固定資産税評価額となります。専有面積分と共用部分を按分した面積により計算されます。

マンション特有のことなのですが、マンションの販売価格はお部屋の向きや何階部分かということで値段が変わってきます。同じ面積で、同じ向きでも1階部分と最上階部分は値段が違います。今話題のタワーマンションならなおさらですね。

一方で相続税に関しては、上記の評価方法だと、部屋の向きや、何階かということは考慮されていません。

従って同じ面積だったら、どの階でもどの向きでもほぼ同じ相続税評価となる可能性が高くなり購入価格や時価評価は差があるけれども、相続税評価はほとんど変わらないということになります。

<ローンを組んでいる場合>

アパート・賃貸マンションの所有者が亡くなった際、まだアパートローン等が残っているとき、借入金残高を相続税対象額から差し引くことができるので、さらに相続税が減ります。(債務控除)

但し、団体信用生命保険付の住宅ローンの場合では、万が一借り入れた人が亡くなられた場合には生命保険会社が残債を支払いますので、この債務控除はうけることができません。

不動産投資における税制のメリットを3回にわたり見てきましたが、いかがだったでしょう。
不動産投資をする上で税制のことを理解することは、とても重要です。
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