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租税回避行為の現実(2ページ目)

前回お話した、賃貸物件の建築費にかかる消費税の租税回避行為について、一部の不動産業者や不動産コンサルタント、税理士の方々の間では、色々と話題になっているようです。

佐藤 益弘

執筆者:佐藤 益弘

不動産にまつわるお金ガイド

不動産業者:実際にはほとんど使われていない!

不動産業者によれば、それを前提に考えるのはあまりにも非効率!
早く完成させて賃料収入を取る方がずっと良い、とのことでした。

また、そもそも裏技レベルの話なので、実際に顧客からこの方法を相談された事はほとんど無いと言う業者が多いようです。

『個人相手なら12月しか使えないし、ヘタに話すと引き渡しが遅れるので、こっちから積極的には言わない』
『今でもあるとすれば、タイミングが合って、かつこれを知っている人への営業時のみ』
『そもそもこの手法は税務署から睨まれ、顧客の信用を失う可能性が高いので、積極的に使う気にはなれないよ』

多くの不動産業者も、この手法には否定的なようです・・・。

また、大手企業でも一時期推奨していた頃もあった事実を知っていますが、この手法の倫理観+営業効果に気づいてからは、どこも手を引いたそうです。

やはり本当に一部の人間の横行か?

今回、複数名の税理士や不動産業者にお話を聞きましたが、皆さんこの方法には否定的でした。

確かに節税したい心理は誰にでもあるでしょうし、違法でないなら良いのかもしれません。
どこかでこの手法を知った人なら、活用したくもなるでしょう。

しかし、その心理に漬け込み、問題ある行動を煽ってきた本当に一部の方々によって、ここまでの規模に発展した感があります。

早期解決に期待!・・・しかし

今回は、賃貸物件の建築費にかかる租税回避行為を取り上げましたが、いかがでしたか?
この問題については、本当に早期の対応を願うばかりです。

ただ、今回お話を聞いた方の一人がこのような事をおっしゃっていました。
『仮にこの問題が解決されても、別の手口が開発され、結局イタチごっこになる気がする・・・』

この問題を含め、結局は物件オーナーやそれを支える不動産業者、コンサルタントなどの専門家、一人ひとりの倫理観の問題、という事でしょうか・・・。

不動産投資は嫌が上でも、長期投資が前提になります。
末永く投資を継続するためには、正しいことをしていないと後で痛いしっぺ返しを受けるのは、世の常です。

まずは、この問題のゆくえを見守りたいと思います。
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