企業経営のノウハウ/3Cの基本情報

喫煙していない事を採用条件にするのは横暴か?(2ページ目)

旅館・ホテル運営の星野リゾートが、人材採用サイトに「あなたはタバコを吸いますか?」と問いかけて話題になりました。はたして企業経営上これをどう理解しますか?

執筆者:畔上 靖

「企業は人なり」

「企業は人なり」は、パナソニック創業者の松下幸之助氏の言葉です。会社は「ヒト」がすべて、つまり「いいも悪いもヒト次第」なのです。裏返せば企業にとって「誰を採用するか」は、何よりも大事な課題です。場合によっては、「ヒトほど高い買い物はない」とも言えます。人といっても幅広いですが、人の「何」だというのでしょうか?

やる気(Will)とスキル(Skill)

「やる気(Will)」と「スキル(Skill)」の2軸で、「人材のポートフォリオ」つまり「人の分類」をするためのフレームワークです。
WILL-SKILLマトリックス

WILL-SKILLマトリックス


それぞれの象限に人材マッピングすると、それぞれに対しての会社としての「扱い方」が見えてきます。
WILL-SKILLマトリックスundefinedヒトの扱い方

WILL-SKILLマトリックス ヒトの扱い方


このマトリクスで重要なのは、「成長させるべきは心(Will)で、技(Skill)より優先する」ということです。「会社は人なり」と先ほど言いましたが、1段掘り下げると「会社は人の心なり」なのです。

それでは、会社は人を選ぶ際に、何を注意したらよいのでしょうか?

その人に休日に会う気になるか

経営理念、社会に対して何を届けたいかのありたい姿、会社が目指す方向において、何かしら価値観が一致する人を「仲間として選ぶ」ことが重要です。ある意味で、経営者から見て「合うひと」。この感覚を一言で表現すると……、

『休日に自宅に呼んでも良い(と思える)人』。

どんなに天才的な頭脳の持ち主でも、単純に週末に話をしたくない人は採用するべきではないのです。会社が「タバコOK」な場合でも、「仕事さえできればそれでよい」というような言い方をされたりすると、「仲間を採用する姿勢」と考えた場合に、ちょっと寂しくないですか?

一体感を中心におく

つまり、星野リゾートの場合、「喫煙者とは週末に会いたくない」のかもしれません。「それではあまりに心が狭い」と思う人もいるでしょう。でも、きっとそれが経営者の素直な気持ちなのかもしれません。その気持ちを尊重すべき理由は次のページで説明します。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます