「タバコ吸う人、ご遠慮ください」?
ホテル運営会社の星野リゾートが、人材採用サイトで「あなたはタバコを吸いますか?」と問いかけて話題になりました。喫煙の有無を採用条件としたことへの議論を呼んだようです。応募側・採用側の都合が入り混じる論戦のようですが、『企業経営ノウハウ視点』では語られてはいないようなので、今日は少し趣向を変えて、この盛り上がりにちょっと便乗してみようかと思います。まずは、お断りしておきます。今回はフレームワークやツールの紹介というよりも、あくまで個人的見解に基づいており、「知見」というよりも「私見」を展開することになりそう……。でも、『企業経営のノウハウ』としての気づきもありますので、どうかお付き合いください。
法律的には問題ないのか?
喫煙していない事を社員採用の条件に組み込むことに対しては、応募側からは「差別や横暴」といった声まであるようです。なお法律上は、「業務内容と直接関係のない理由で不採用とすることは許されない」との考え方で、例えば、出身や家族構成等の理由で不採用とするのは違法であるとされています。企業側の視点では、以下のような「もっともらしい理由」で説明される場合が多いようです。<理由>
1.喫煙時間=サボリ時間、労働能率の低下
2.非喫煙者に受動喫煙が発生
3.健康を害し、健康保険の財政を圧迫
4.喫煙ルームなどの追加的な設備負担
簡単にいうと「体調を悪くして会社に迷惑がかかる」といった論拠のようです。
例えば、星野リゾートでは、1.作業効率、2.施設効率、3.職場環境といった理由をWebサイト上で説明しています。
本当に能率の問題?
はたして喫煙者は本当に能率が悪いのでしょうか? 仕事の能率は成果÷時間であって、喫煙によって労働時間が減っても成果に対する説明にはなりません。また、受動喫煙は喫煙自体ではなく、分煙が問題です。余談ですが、JT(日本たばこ産業株式会社)の会議室では、自由に吸えるタバコがテーブルの中央においてあり、昭和の映画で見たことがあるような「煙モウモウ」の会議を楽しむことができます。つまり「タバコ吸う人、大歓迎」。