将棋/将棋のすすめ

3万人を動員!将棋日本シリーズ(2ページ目)

トッププロ棋士のステージでの公開対局、「JTプロ公式戦」と、小学生以下の子どもが参加できる「テーブルマークこども大会」がセットになった一大将棋イベントが、将棋日本シリーズです。こども大会は将棋が強い子から初心者まで、楽しめるように工夫されています。年々参加者が増え、今年は1万人越えの期待も。今年も開幕が迫りました。

執筆者:土居 尚子

子どもの対局といえど、解説のプロ棋士をうならせるレベルの高い対局が見られることもあり、佐々木勇気四段など、この大会で優勝した子どもが、後にプロ棋士になるケースも増えてきました。「JTプロ公式戦」から観戦する方も、この決勝ステージは見ることができ、「JTプロ公式戦」のオープニングとして、多くのファンが楽しんでいます。

この大会は、全国どこの大会に出ても自由ですが、一度、トーナメントまで進むと、その年は他地区の大会に出ることはできません。

飲料メーカーでもあるJTと、グループ企業の冷凍食品メーカーであるテーブルマークの協賛イベントで、冷凍食品の試食コーナーがあったり、簡単なクイズに答えてカードを持っていくと、ひきかえにJT飲料がもらえたり、詰将棋のコーナーがあったりと、同伴の保護者も楽しめます。

ライブで見られる「JTプロ公式戦」

通常、プロの公式戦の対局は、記録係などごく一部の関係者だけしか入室できない部屋でひっそりと行われるものですが、唯一、大勢の観客を前に、公開対局としてステージ上で行われる公式戦が「JTプロ公式戦」。出場するのは、前年度優勝者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者など、トッププロ棋士のみの12人。ステージには、和室風の壁、畳と座布団、分厚い高級将棋盤がセットされ、対局するプロ棋士はもちろん和服で登場します。
情報画像

2012年のJTプロ公式戦の決勝の様子。久保利明九段が、羽生善治三冠を破って優勝した。



将棋盤の上を直接見ることはできませんが、その指し手は、すぐ横に設けられた大盤で再現され、人気のプロ棋士と女流棋士のコンビで解説されます。対局にさしつかえのないように、具体的な次の指し手を言ったりはしませんが「この駒が……」なとど指し示しながら、さほど将棋が強くないファンにも分かるように説明してくれます。

持ち時間(自分の指し手を考えるための時間)が短い将棋で、長引いても2時間弱で終わる対局ですが、途中に封じ手と休憩時間があり、休憩後の次の一手をあてるクイズもあります。どちらが勝つか予想する勝利者予想クイズもあり、正解者の中から、JTの飲料セットなどがあたる抽選会も行われます。

「テーブルマークこども大会」と違い、この公開対局を見るのには事前申し込みは必要なく、当日会場に出向けばOK。人気棋士を前のほうの席で見ようと、開場前に並ぶファンもいます。

勝った棋士が握手でお見送り

なんといっても、ファンを喜ばせるのは、対局終了後に行われる勝利棋士による観客のお見送り。観客が長蛇の列であっても、1人1人と握手してくれます。見送ってくれるのは勝ったほうの棋士のみなので、お目当ての棋士と握手できるとは限りませんが、渡辺竜王や、森内名人、羽生三冠といったトップ棋士を間近で見られる貴重な機会となっています。

プロ棋士を直接見ることのできる機会というのは、他にもいろいろあります。東西の将棋会館でもプロ棋士によるタイトル戦などの大盤解説会や、指導対局、ファンサービスのためのイベントなどがひんぱんに行われています。各地の将棋大会にプロ棋士が審判や指導対局で来場することもよくあります。主に、日本将棋連盟のサイト関西将棋会館のサイトにそういったイベントの案内が出るほか、各県の支部連合会のサイト(サイトの無い県もありますが、「県名」と「将棋」と「県連」といった言葉で検索すると見つかることがあります)などで紹介されることもあるので、プロ棋士に会ってみたいという方は、ぜひチェックしてみて下さい。
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