にきび/ニキビの治し方・ニキビケア

ニキビ痕のタイプと対処法!しこりを軽減する方法とは

せっかくニキビが治っても痕が残ってしまっては、それがまた新たな悩みになってしまいます。どのようなことに気を付けたらニキビ痕を残さず治せるのか、ニキビ痕のタイプとともに対処法をご紹介します。

吉田 貴子

執筆者:吉田 貴子

スキンケアガイド

 
ニキビ痕のタイプと対処法!しこりを軽減する方法とは

ニキビ痕のタイプと対処法を解説!


ニキビは「思春期のもので、その年齢が過ぎれば綺麗に治る」と思っていると、ニキビ痕が残り後悔してしまうことも。ニキビが治った後に残るニキビ痕にはいくつか種類があります。今回は、ニキビ痕の種類のご説明とその特徴、ニキビ痕を残さずニキビを治すための対処法をご紹介します。

ニキビにも種類があることは、以前の記事でご紹介いたしましたが、一言で「ニキビ痕」と言ってもタイプがあることをご存知ですか。
 

ニキビ痕は4タイプに分けられます

1.赤み
ニキビ痕

赤み

炎症が起きたニキビ(赤ニキビ)は、炎症が治まった後で赤みを残すことがあります。これは、皮膚の毛細血管(細い血管)が拡張している状態で、炎症が起きた後に起こる現象のひとつです。
 
2.色素沈着
ニキビ痕

色素沈着

1.の赤みが治まると、通常この現象が起こります。いわゆる茶色いシミのことで、「炎症後の色素沈着」と言います。皮膚の表層にある表皮に、メラニンが増えることによります。この症状は、多くの黄色人種の肌に起こります。
 
3.クレーター(陥凹性瘢痕)
ニキビ痕

クレーター(陥凹性瘢痕)

繰り返し炎症が強く起こった場合には、皮膚の真皮にまでダメージが及びます。特に真皮のコラーゲン線維が破壊され、表面がくぼんだ状態になります。
 
4.しこり(肥厚性瘢痕、硬結(こうけつ))
ニキビ痕

しこり(肥厚性瘢痕、硬結(こうけつ))

クレーター同様、繰り返し炎症が強く起こった場合に生じることがあります。赤い場合と、白い場合があり、いずれも固く、盛り上がっています。
 
「クレーター」や「しこり」が生じるかどうかに関しては、次の様な要因が影響します。
・炎症のあるニキビの出来た範囲
・炎症の強さ
・炎症が起こった持続時間、繰り返した回数
・二次的感染の有無

さらにご説明したいのは、ニキビ痕が生じやすい範囲について。

タイプによって、出来やすい部位があるので、その部位にニキビのある方は、ニキビ痕が残らないよう注意していただければと思います。
 

ニキビが出来た範囲により、生じるニキビ痕のタイプが異なります

4タイプあるニキビ痕のうち「赤み」と「色素沈着」は、どこにも起こる可能性があります。一方、「クレーター」と「しこり」には、生じやすい範囲があります。

「クレーター」
ニキビ痕

クレーターの生じやすい範囲

コメカミから頬全体にかけてが、クレーターの生じやすい範囲です。鼻に炎症の強いニキビが出来た場合にもクレーターが出来ることがありますが、その場合にはアイスピックで刺した様な小さなくぼみとなるため、「毛穴の開き」と表現されることが多いです。
 
「しこり」
ニキビ痕

「しこり」の生じやすい範囲

主に、片方の耳からもう一方の耳の前までのフェイスライン(いわゆるUゾーン)、そして正面からは見えにくいあごの下に生じやすい傾向があります。
 

ニキビ痕になってしまった時の対処法

「赤み」
もっとも軽いニキビ痕と言えます。通常数週間~数ヶ月程で自然に改善します。強い赤みの場合には、弱いステロイド剤を外用したり、ビタミンCを外用するとより改善が早まります。

そして特に問題になるのは残りの3タイプ、「色素沈着」「クレーター」「しこり」です。それぞれについて、対処法をご説明いたします。

「色素沈着」 
沈着したメラニンを、外に排泄するよう促せば、自然な回復を待つより早くて確実な改善が期待できます。

具体的に、ポイントは2つ。ひとつは、肌のターンオーバーを促進させること。その作用を持つ代表的なものに、グリコール酸、サリチル酸、ビタミンA誘導体(トレチノイン、レチノールなど)があります。もうひとつは、メラニンを漂白すること。漂白成分のあるものを外用します。代表的な成分は、ハイドロキノンです。いずれも使用する際には、医師の指示をお受けいただくことをおすすめします。その他にも、美白効果が認められている成分には、ビタミンC、フラーレン、トラネキサム酸、プラセンタ、アルブチンなどがあります。

「クレーター」
一度出来てしまうと自然に改善することのない厄介なもの。積極的に改善したい場合には、医療機関での治療が必要です。

治療には色々な方法がありますが、代表的なものは、フラクショナルレーザーを代表とする炭酸ガスレーザーやメディカルピーリングです。いずれも、皮膚の真皮に働きかけ、コラーゲン線維の増生を促し、くぼみを盛り上げる効果を期待して行います。通常、1回の施術では満足のいく効果は得られませんので、回数をかける必要があります。また近年では、自分のコラーゲン線維を増生させる効果のある、線維芽細胞増殖因子という薬剤を用いる注射もあります。

「しこり」
クレーター同様、自然軽快はありません。これは、皮膚が深く傷付いた際に残る盛り上がった傷痕と同じ状態です。

積極的に改善したい場合には、トラニラスト(商品名:リザベン)の内服やステロイドの局所注射を行います。いずれも保険適応の治療です。また、赤みを帯びたしこりに対しては、レーザー照射を行う場合もあります。

そして、自分で不適切な処置を行ったり、不要にいじってしまうと、炎症を長引かせる原因にもなり、引いてはニキビ痕を残すことにもなりかねません。また、治癒の過程において、紫外線を過剰に浴びてしまうと、そうでない場合より強い色素沈着が残ることもあります。

傷痕が残りやすい、残りにくい、というのは、もちろん個人差もあります。日頃、自分は傷痕が残りやすい、という自覚のある方は、なおさら注意してニキビ治療に取り組んでいただきたいです。

さて、ここまでニキビ痕の説明をしてきましたが、一番大切なのは、「ニキビ痕が出来てから慌てるより、ニキビ痕を残さないよう早めに治療をする」ということです。そのためには、必要に応じて気軽に医療機関を受診していただければと思います。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して肌荒れや不調を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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